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瞑想とKindle 〜読書について〜

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年末に、読書家の友人から今年ベストの本かもしれないと推薦され、それはもう読まなきゃと、「スタンフォードの自分を変える教室」を読みました。

本屋で結構見かけるので気にはなっていたものの、How to本的なのはあまり読まないので敬遠していたのですが、読んでびっくり。心理学や神経科学に基づいて実験結果を多数紹介されたとても科学的な本でした。

■意思力と瞑想

内容的には、目標に対して自己コントロールする「意思力(Willpower)」について、日本的に言えば精神力のようなものですが、精神論ではなく、スタンフォード大での人気授業というだけあって、科学的に意思の力をどうすれば強くすることができるのか、多くの論文や実験結果に基いて、自分自身を観察しながら行動を変えていくことに重きをおかれています。

意思力には、「やる力」「やらない力」「望む力」の3種類あり、たとえば僕だったら、

  • 週に2回はランニングをすること(やる力)
  • お酒を飲み過ぎないこと(やらない力)
  • 思いやりのある人間になること(望む力)

といったようなことです。本書を読み進めながら、まず自分にとっての目標を考えてみます。そして、そのチャレンジに対して最も効果の高そうな意思力を高める方法を少しずつ実践していくことで、実際に自分にとって効果の高い方法を見つけて意思力を高めていくのです。

そこでまず初歩的で簡単に継続できる実験として紹介されていたのが、「瞑想」です。

以前から友人や経営者も瞑想や禅をしているという話はよく聞いてましたし、僕も頑張れる時と疲れ果ててしまう時と波があるタイプだったので、継続的に自分をコントロールできるように瞑想には興味は持ってました。

やり方は?と思って取り組んでなかったのですが、本書では5分で簡単にできるとあったので、紹介されている通りやってみました。

〜瞑想:5分で脳の力を最大限に引き出す〜

「吸って」「吐いて」と心の中でつぶやきながら、呼吸に意識を集中させましょう。気が散っているのに気づいたら、また呼吸に意識を戻します。

たったこれだけです。

そして僕も年初から、基本的に寝る前にこの瞑想を始めたのですが、ほんとに簡単でリラックスできるので無理なく毎日継続できています。しかもその成果はすぐに出て、ランニングは週に2回どころか、この6日間ですでに4回。寝る前に瞑想するので、夜のお酒の量は減り、瞑想を始めてから生活リズムが変わりました。

本書では他にも、自分が1日のうちに自分の意思で選択した瞬間を振り返ってみることなど、様々な実験を紹介されており、効果のあるものを取り入れていきます。

■意思力は使い果たすとなくなってしまう

特に日本人の場合、目標が達成できなかったり、先延ばしにしたり、やめてしまったりするのは、自分の弱さと決めつけがちですが、心理学や神経科学から意思力の影響によるものだと知ることによって、非常に救われることも多いです。

例えばわかっていても食べてしまう、飲んでしまう、もうちょっと寝てしまう。もっと頑張らないと目標達成できない。そんなことってみなさんあると思います。まさにその時に意思力は試されて、負けてしまった結果なのですが、心理学者は意思力には「保有量」があると言います。

意思力の保有量は、食べ物(植物ベースの加工されていないものが良い。ジャンクフードはダメ)や、生活する場所(空気が悪いところはダメ)などが自己コントロールの生理機能を妨げ、下げてしまいます。また不安や怒り、ストレス環境にあるのもよくありません。睡眠不足や仕事で座りっぱなしもダメで、6時間以上の睡眠や運動をすることが大切です。

さらに、意思力は使っているうちに「使い果たしてしまう」という研究結果も出ています。例えば禁煙を我慢した人は食べ過ぎてしまったり、ダイエットをしている人は何と浮気をしやすくなるそうです。意思力を使い過ぎると誘惑に無抵抗になったり、弱ってしまうというのです。何かチャレンジが成功できた時に、僕らは「自分へのご褒美」と言って、自ら誘惑に乗った経験はないでしょうか?意思力の保有量があること意識しておけば、高過ぎる目標設定など頑張り過ぎは、その使い方に気をつける必要があると思います。

では、意思力を使うなってことではなく、筋肉と同じように意思力も鍛えることができるそうです。自分の意志力の増減を観察しながら、できることを少しずつ増やしていくのです。これを継続することで、これまでできなかったことが少しずつできるようになり、意思力も高まり、使い果たしてしまう状態にならないのです。

そう考えると、運動にしろ、仕事にしろ、社会貢献にしろ、意思力を使わずとも楽しんで取り組めていればいくらでもできるだろうし、習慣となって本人にとって当たり前になれば意思力を使う必要もないのだと思います。それが同じ運動や仕事でも義務や頑張ろうと思わないとできないことになってしまっているなら、意思力が必要です。そこでできなかったとしても、自分の弱さとしてマイナス思考になるのではなく、意思力の状態を観察して、意思力を高める改善をしていくことが大切です。IT業界は特にストレス環境にありがちなのですが、現代社会がそもそもストレスが非常に多いので、まずは5分間の瞑想から始めてみてはいかがでしょうか?

ちなみにgoogleには社内講座に禅の講座があるそうで大変人気だとも聞いています。またスタンフォードでは瞑想と禅が必修科目にもなったそうです。本当にみなさんにお薦めしたいです。

■Kindleと読書

さて、そんな読書で生活が変わるという嬉しい体験をしたのですが、年末に読書にまつわるできごととして、Kindle Paperwhiteを購入しました。

それからもう毎日のように友人、知人に薦めているのですが、これはもう買いです。軽くて、小さくて、充電も8週間持つし、購入から読書まで簡単といった機能的なこともあるのですが、読書のスタイルを変える衝撃を受けています。

紙の本を購入する時に本棚にどんどん本が増えていくことは、無意識のうちに本を読む機会を失わせています。また読みたい本を持ち歩く時に、本の重さが障壁となって携帯のように持ち歩くことも控えてしまいます。

それがKindleによって、気軽に本を購入し、読む機会を増やしました。Kindleでセールになっている本や100円や200円で人気の本などは、ほんとに気軽に買ってしまいます。例えば、僕であれば資料作成やプレゼン、ブログを書く際に図解して説明するスキルを伸ばしたいとか、読みやすい文書を書けるようになりたいという気持ちがあり、こうした本を買いました。

こういった本をこれまでは気軽に買わなかったのがお酒1杯飲むより安いと思って買ったり、腰を据えて1冊読まなくても、移動時間中やちょっとした空き時間に10分、20分読もうと読書する機会も増えました。

そんな個人の購入体験、読書体験を変えるKindleは、今年間違いなく日本の出版業界も大きく動くことになると思われます。既に昨年5月のニュースで、アメリカとイギリスのアマゾン Kindle版電子書籍の販売冊数、紙本の全種合計を上回る と紹介されており、日本でも近い将来、電子書籍が紙を越えるのではないでしょうか?

アメリカの図書館では、電子書籍で本のレンタルまでできるようになっており、Kindleの発売が、読者だけでなく、出版や教育も含めた生態系が大きく変わると予想されます。

昨年末、読書で得た学びをしっかり定着させる「STICKIT」というWebサービスがリリースされました。こうした業界が変わるタイミングでは多いにビジネスチャンスもあるはずです。「STICKIT」の「読書を変えよう」というコンセプトも面白いですし、単に書籍を電子化しましたっていうだけではない新たなサービスや企業が生まれてくることを楽しみにしています。

ということでみなさんも改めて読書について考えてみては如何でしょうか?

ちなみに僕のお薦めは、Paperwhiteです。iPadとは別ものとして読書用に持つことをお薦めします。漫画の場合、iPadでKindleアプリで読む方のがいいですけどね。

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