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フレンドマーケティングのススメ

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突然ですが、僕は今自分の父親が働いている会社と仕事しています。いや、正確に言うと、サラリーマンである父親が働いている会社で父親のチームから発注頂き、サラリーマンである僕が働いている会社の別部署で仕事をしています。

何が言いたいかというと、

「正直で真剣な仕事をすることが、いよいよどこにでも求められている」

ということです。

父親が経営者で、僕も自分の会社を経営してたり、フリーランスであれば、なぁなぁの付き合いで特に珍しいことではないと思います。けれども、サラリーマンである父親は、当然社内の稟議を通しチームメンバーに説明する必要があり、息子が働く会社で成果を残せないと立場的によくないことは認識していると思います。

一方僕は、せめて自分の部署・チームであれば自分で頑張るので何とでも頑張りようやもしもの時も挽回しようがありますが、他の部署なので、もう任せるしかありません。

どういう気持ちでこの仕事を受けて、他部署に紹介したのか?それは、今の会社の実力・実績、メンバーが一生懸命取り組んでくれたら、間違いなく父親のチームに貢献することができる。金額も適正な金額で、会社にとっても適正な利益が残る提案をしてくれる。そういう自信があったからです。

営業はいずれいなくなるのか?

最近ネット業界やシリコンバレーでは、営業のポジションがどんどん低くなっています。本当に良いWEBサービスは、ユーザーがブログやソーシャルメディアで勝手に広げてくれるため、技術者が顧客と向き合って良いサービスを開発するという流れが広がっています。

では、いずれ営業職はなくなるのか?

商品の押し売りや、自分自身が自信を持って家族や友人に販売できないならそんな営業はなくなっていくだろうし、その商品・サービスもなくなるでしょう。たいして知識も価値もわかっておらず、単純にどの顧客にも同じように営業するだけの営業もなくなるでしょう。

一方、顧客にとって本当に価値あるものを、最も効果的に提案する営業はこれからも求められ、何より顧客のことを考えて足しげく通い、人間関係を作り、顧客視点で信頼を得られる営業は、顧客にとってもとても大切な存在です。

複雑な商品やサービス、そして情報が溢れ過ぎている中、顧客にとって最適な商品を見つけるのは実は簡単ではありません。その中で、信頼できる人から最善の提案や紹介をしてもらうことは、これからもますます必要です。

昔と違い今は情報はオープンですぐに広がります。そんな中、不正や癒着はすぐに見つかるし、騙して利益を貪るような営業をしていたら、噂は広まるし続きません。一方、信頼に足る営業が人間的で面白く、仕事だけではなく、趣味や家族、楽しくお酒や食事を楽しめる関係だったら、お互いにとって良いことだと思います。リアルな人間関係だけでなく、ソーシャルメディアを通してその関係は広がっていくはずです。


フレンドマーケティングがなぜ良いのか?

父親だけでなく、ここ数年自分の友達や仕事以外で知り合った人から仕事を頂く機会が非常に増えています。もともとホームパーティや仲良い人たちで面白いイベントやアソシエイトと呼べる仲間たちと社会的なプロジェクトに携わるのが好きでもあり、交友関係は広い方ではあるとは思います。

ただ、ツイッターやFacebook、最近ではブログを本格的に書き出して、知人から声を掛けて頂く機会が増えました。それは僕個人にということよりも、会社としてもソーシャルメディアを活用したり、何をやっている会社か、実績がどうなのかということを、周囲の知人にまで広がってきているということもあり、「さべっちの会社でこんなこと依頼できない?」みたいな声掛けを頂くのです。

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話を戻すと、前述のこれからも残る営業にとって必要なこと、簡単に言うと「信頼」「最適な提案」を、友人・知人であれば既に持ち合わせているから、声を掛けてもらえるし、逆に紹介や提案ができるのです。もちろん中には、正直に金額的にあわないと思うからと、別のベンチャーやフリーランスの人を紹介することもあるし、求めるレベルに適さない時はお断りもします。

そういう営業スタイルを、「フレンドマーケティング」と社内では言ってるのですが、これからの時代は友達に自信を持って営業できるような商品やサービスを提供しないと生き残れないし、友達に正直に伝えるように情報も価格も適正に提供しないと続かないと思います。

実際良かれと思って上手くいかない時もあります。それでも友達なら、「ごめん。でも挽回できるようにもっと頑張って必ず返すから。」と信じてもらうこともできるし、時間を掛けてでもきっちりと返せばいいのです。失敗を嘘で隠したり、言い訳したりすると友人を失くすように、顧客を失います。

ソーシャルメディアが普及する世の中での仕事とは、つまり正直で真剣な仕事をすること。よく考えると、日本の職人さんはそういう人が多いのだと思うし、日本を支える中小企業とは、そういう会社ばかりではないでしょうか?そう考えると、マッチングがもっと進めば良い仕事をしている人たちはこれからいよいよ光が当たる時代がきています。


自社の商品やサービスの枠を越える

フレンドマーケティングを実践しようと思えば、業務時間や価格の柔軟性も必要になってきます。例えば商品の不具合があったり、WEBサービスが止まっていたりすると、休日だから受け付けないなんてことは当然できません。場合によっては、NPOや資金の乏しい起業したての友人には、無償でサービスを提供したり、無償で仕事をしたり・手伝ってくれる人を紹介することさえあります。

また、競合商品が本当に良ければ紹介することもあるだろうし、自社の商品だけで完結させようとするとどうしても無理が生じます。自分たちの商品・サービスを本当に良いと自信を持って提供していくだけでなく、もう一歩高い位置に視点を持っていき、友人にとって最も必要なチーム構成、得意分野・商品を持った人たちとともに、最適な提案をする。そのためには会社の枠を越えて、仕事をするスタイルが求められてきます。

一方フレンドマーケティングを実践していると、結果として信頼を得られるし、成果が出ると本当に嬉しいし、トラブルがあっても助けてくれる。さらに会社の枠を越えてのプロジェクトは、新たな刺激や学びを得られ、チームメンバーも顧客も受発注の関係ではなく、オープンでフラットで、本当に良い仕事をしようという気持ちになっていきます。

仕事は仕事、プライベートはプライベートではなく、公使混合することで、仕事もプライベートも充実し、家族とも仕事の話ができるし、仕事相手とも友人のような関係になっていく。最近ますます社外の人とのコラボレーションや交流する機会が増えている人が多いと思いますが、今の仕事を友達や家族とするような気持ちで取り組まれたらどうでしょうか?


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