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On Vox: カナダのノーテル社が危機状態とWSJ紙

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カナダの大手通信ベンダー「Nortel Networks」が会社更生法申請を検討している──と10日づけのウォール・ストリート・ジャーナル紙が伝えた。

ここ数年、同社は破綻の淵をさまよっている。ワイヤレス系設備機器などの不振がつづいており、再建計画が厳しい状況にあることはかねてから噂されてきた。

日本でも次世代LTE設備の契約を取っており、破綻すると日本での影響も出る。ただ、WSJ誌に対する同社のコメントでは「会社更生法をすぐに出すような状況にはない」と述べている。が、こうした記事が出ること自体、同社に厳しい状況を反映している。

2009年、米国の通信事業者による設備投資は全体で横ばいか減少になると言われている。設備投資の目玉といわれる次世代携帯サービス(4G/LTEサービス)は、2010年あたりから本格化するので、2009年は大きな目玉がない。ベライゾン・コミュニケーションのFTTHは投資が続くほか、AT&TのU-Verse(IPTV)もあるが、これは織り込み済みの数字で、設備投資全体を拡大するほどの要因ではない。

通信事業者が設備投資を絞れば、当然、機器ベンダーはつらくなる。特に、アルカテル・ルーセントやノキア・シーメンスなどの総合ベンダーは厳しい。

やれやれだ。

小池良次(www.ryojikoike.com)

Originally posted on ryojikoike.vox.com

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