On Vox: CATV各社、Sprint Nextel社との携帯提携を解消
CATVトップ(ComcastとTime Warner Cable、Cox)が携帯大手スプリント・ネクステルとの提携を解消する。
数年前、Comcast、TWC、Cox Communications、Advance NewhouseのCATV大手4社は、Sprint Nextel社と提携して、Pivotと言うジョイント・ベンチャーを設立した。狙いはトリプル・プレー(TV、固定電話、ネット)+携帯電話というマルチ・プレーを実現させるためだった。CATV各社はSprint Nextel社のネットワークを利用する代わりに、Sprint Nextel社はCATV番組案内などのスペシャル・アプリケーションを乗せた携帯端末を提供する予定だった。
しかし、Pivotプロジェクトはサービス開発が遅れ続けた。これはCATV側が望む携帯アプリケーションをSprint Nextel社が十分に提供できなかったためで、ついに「CATV側が我慢できなく」なって、提携解消となったようだ。
4メンバーのうち3社は解消を表明し、今のところAdvance Newhouseだけが立場を明らかにしていない。
ちなみに、Sprint Nextel社は現在、Clearwire社とWiMAXベンチャーの設立を計画しており、ComcastとTWCに出資の打診をしている。この件はPivotとは別の話だが、まったく影響がないとは言えないだろう。
最近は、顧客の純減、大幅赤字決算、Qwest CommunicationsがMVNO契約を見直すなど、Sprint Nextelへの逆風が続いている。
個人的には、2007年11月に辞任したゲリー・フォーシーCEOのひどい経営が現在の苦境を招いたと感じている。ビル・エズリー元CEOが苦労して育てたSprint社は、フォーシー時代にズタズタとなってしまった。
今年からSprint Nextel社のCEOになったヘス氏は、苦労がつづきそうだ。
小池良次
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