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On Vox: スプリント迷走

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スプリント・ネクステルは、いよいよ迷走の度合いを深めている。WSJ(Nov.30,07)によると...

 

先日、ボードの圧力でGary Forsee CEOがやめ、いま新しいCEOを探している。その隙を狙って、元ネクステルのトップだったTim Donahue氏が韓国のSKテレコム、プライベート・イクイティー・ファンドと組んで、50億ドルの投資をおみやげにスプリントのCEOになろうと提案している。ボードは、Donahue氏の提案を一方的に断ったとか。一方、ボードは新CEOの候補として、元ATTWのトップだったDan Hesse氏などを考えている。

 

このニュースは面白い。まず、Donahue氏はアクが強い経営者で「なるほどな~、彼ならやるな」ということ。問題は、彼がスプリントのトップになって、同社の業績を回復できるかどうか?だが。たぶん、相当の財務圧縮、不良プロジェクトの打ち切りなどをやるだろう。それだけの無理を押し通せるぐらいの強い経営者であることは間違いない。

 

SKさんが顔を出しているのは、興味深い。同社はどうしても、米国で携帯ネットワーク事業を立ち上げたいのだろう。アースリンクと組んで始めたMVNOは惨憺たる状況だが、それでも野心は衰えていない。

 

一方、新CEOの候補にあがっているHesse氏はどうだろう。彼は携帯業界のエグゼクティブとして、経歴的には素晴らしい。だが、僕自身はATTWの凋落、その後のEnbarqでの経営を見る限り「平均的なトップ」と言う感じがする。迷走するスプリント・ネクステルを力づくで再建するだけの手腕があるかどうかは、未知数だろう。

 

スプリント・ネクステルは、大変な状況になっている。

Originally posted on ryojikoike.vox.com

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