クラウド化が要求されるITスキル人材サービス
最近、ITサービスのワークロードにクラウド化の要求が進んでいると感じることがあります。
どういうことかというと、人材サービス、ITスキルサービス、あるいは作業量(ワークロードのこと)サービスなのですが、複数の要求を平行して実施し、「より少ない単位で、より少ない料金で」作業を提供することを求められるようになってきたと感じるのです。
昔、ITシステムというのは「準備して置いておく物」という感覚が強かったために、「あるITシステムを準備すると、初期費用1億円、年間2500万円の出費があり、2人くらいは占有で運用要員が必要」のように思い込んでいました。
しかし、いま少なくともインフラは、仮想化、クラウド化が進むことによって「一ヶ月数千円」「一ヶ月十数万円」という感覚が根付いてきました。このバランスからすると、「1作業あたり数千円」とか「数万円」とかいう単位で期待されているのをひしひしと感じます。
私自身、数台の仮想マシン(VM)を平行して何台も管理し、いくつもの案件のサポートをしているような状況です。(私は有償人材ではないので、お金を頂いてませんが)
ところが、IT人材はいまだに「人月」で計算をします。作業に2ヶ月かかる、と言ったとたんに、月額100万円、200万円、300万円という金額に、期間をかけ算し、あっというまに数千万の費用が「見積もり」と称して出てきたりします。300万円といえば、クラウド上のVMインスタンスの起動作業が1回あたり5,000円の手数料なら、1ヶ月に600回も起動できる作業料金です。
コンピューターが一ヶ月数千円~数十万円と言ってるときに、なぜ人件費だけが一ヶ月あたり数百万円もかかるのか、と考えると、お客様が疑問に思うのは当然でしょう。
クラウド化が進むことによって、IT作業は激減しています。ネットワーク経由で作業することで移動を伴いませんので、移動時間が無題になりませんし、旅費もかかりません。待ち時間が発生すれば別の作業も並行して行えます。そうすることで、以前は「待ち時間は珈琲飲んだり居眠りしてた」という時間も、有効に作業できるはずです。
これは、コンピューターがクラウド化したことにより、人間も同様に時分割で共有化し、有効に利用される(それを求められる)時代にきているのではないかと感じる瞬間です。もしかすると、そういう単純作業は、今後クラウドソーシングでまかなえるものになっていくのかもしれません。あるいは、自宅作業の人材などが急激に増加する可能性もあります。
今後、最もコスト削減を要求されるのはITスキル人材サービスだろうと感じる今日このごろです。いやあ、IT技術者にとってはたいへんな時代になりましたね。休んでるヒマはありませんよ。