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「新規事業のアイデアが、無い!?」に対する4つのアプローチ

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当社は、中堅中小IT企業に対してマーケティグ支援(新規見込客獲得支援)を行っています。
また、オープンソースビジネス勉強会を主催し、オープンソースを活用した新規事業の立ち上げや事業拡大を支援しています。

2017年、IT業界はどうなるのか?」や「なぜ今、オープンソースビジネスが必要なのか?」のブログで書いたように、今後のIT業界の変化に危機感を持っていて、「当社も下請けばかりではなく、独自のビジネス(や、製品・サービス)を持たなくては」というIT企業は増えています。

今日はそのようなIT企業の多くが悩んでいる、「新規事業のアイデア」について書いてみます。

なお、ここで取り上げるのはスタートアップの話しではありません。
既存の企業の新規ビジネスなので「スモールビジネス」ではないかもしれませんが、どちらかというとスモールビジネスに近いと思います。
スタートアップとスモールビジネスとの違いについて、Masayuki Tadokoro氏の「スタートアップサイエンス2017」から引用させていただきましたので、ご参考ください。

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(出所:Masayuki Tadokoro氏「スタートアップとスモールビジネスとの違い」)


新規事業を立ち上げたいけど、アイデアが無い・・・

中堅・中小のIT企業の中には「新規事業を立ち上げたいのだけど、何をやればよいのからない・・・」といって悩むケースが多いようです。

粗々のアイデアでも「こういうビジネスを考えているのだけど」というのがあったり、(本来はお客様の課題からスタートしてほしいのですが)「このオープンソースでビジネスしたい」「こういったオープンソースを開発したので、これでビジネスしたい」というのがあれば、それを検証したり、改善したりするフレームワークはあります。

例えば先出のMasayuki Tadokoro氏の「「スタートアップサイエンス2017」 によれば、「リーンキャンパス」の中でも最初に「課題」、「カスタマーセグメント」、「独自の価値提案」の3つを記載するように推奨しています。

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(出所:Masayuki Tadokoro氏「リーンキャンパスの書き方」)

また、当社では、佐藤義典氏の戦略BASiCSを参考に当社が独自に整理、発展させた「顧客視点フレームワーク」を用いて、最初にターゲットと課題、ベネフィットを決めることを推奨しています。

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(顧客視点フレームワーク)

誰の課題を解決すればいいのか・・・

しかし、そもそも
「どこをターゲットにすればよいのか分からない」
「何が課題なのか分からない」
というところで悩んでいるIT企業が多いようです。

では、そのようなIT企業の新規事業立ち上げはどのようにすればよいのでしょうか。

やはり、まずはターゲットから

お客様のことをよく知らなければ、その課題は見えてきません。
やはり、最初は「誰の」課題を解決するのか、そのターゲットを定める必要があります。

では、ターゲットはどのように決めればよいのでしょうか?
以下にいくつかの考え方を示します。

(1)既存顧客をターゲットにする

最初のアプローチは、自社の既存顧客をターゲットとした新規ビジネスを考えるというものです。
つまり、自社の既存顧客に対して、現在既存の商品・サービスを提供しているわけですが、それでは解決できていない、お客様の課題を見つけて、それを解決する商品・サービスを新規ビジネスとして開発・提供するのです。

おそらく、これが最もリスクが少ない方法だと思います。
既存顧客なので、既に信用があり、取引口座もあります。
営業マンがすぐに訪問し、「○○さん、先日○○が課題だとおっしゃっていましたが、それを解決するご提案をお持ちしたのですが。」といえば、確実に話しを聞いてくれるでしょう。

1つ懸念があるとすると、社長や経営陣に提案した際に「これは新規ビジネスではないよね?」と言われてしまう可能性はあります。


(2)企業理念から考える

企業理念を掲げているIT企業は多いと思います。
既存の事業は、それらの理念を実現する手段として位置付けられているはずです。

2つ目のアプローチは、企業理念を実現するための、別の(既存事業とは異なる)方法を考え、それを新規ビジネスにするという考え方です。

例えば、パーク24株式会社の企業理念は「快適なクルマ社会の実現」。メインの事業はパーキング事業ですが、「快適なクルマ社会の実現」を追求する中で「カーシェアリング事業」などが産まれてきたのではないでしょうか。

一般的に企業理念はターゲットを規定していることも多いので、結果として1番目のアプローチと同じになるケースは多いと思います。


(3)担当者の情熱

新規事業は、ほぼ確実に失敗します。
成功は多くの失敗を乗り越えた先にあります。

スタートアップには「熱量」が重要だと言われています。
スタートアップではなくても、企業の新規ビジネスでもそれは同じです。

参考として、Itsuki Kuroda氏の「リーンスタートアップアンチパターン」のスライドを引用します。

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(出所:Itsuki Kuroda氏「リーンスタートアップアンチパターン」)

新規ビジネスを企画、実行する担当者が、情熱を持って関われる領域、「これが天命だ!」と思える領域で、新規ビジネスを考えるのが3番目のアプローチです。

このアプローチの懸念は、担当者の情熱が、既存ビジネスの領域と全く異なる場合です。
IT企業なのに「ラーメン店をはじめたい!」と言っても、受け入れられる可能性は少ないでしょう。
同じIT業界であっても、インフラに強みがある企業が、「会計パッケージを開発したい!」というのも難しいかもしれません。

逆に、担当者の情熱が、既存ビジネスに近い領域であった場合、新規ビジネスが成功する確立は高いでしょう。


(4)社長の情熱

残念ながら、新規ビジネスを企画する担当者は、社長や上司から「君が担当するように」と業務命令され、あまり情熱がもてず、受身で新規ビジネスを考えているケースも多いと思います。

その担当者は熱意を持って取り組んでいるつもりでも、会社を辞めて独立・起業しているひとたちと比較すると、どうしても「熱量」では勝てないことが多いと思います。
しかし、企業の新規ビジネスの立ち上げにおいては、このようなケースは一般的であり、それを否定しては何も始まりません。
では、どうすればよいのでしょうか。

中堅・中小IT企業の場合、多くの場合、創業社長がいらっしゃると思います。
創業社長でなくても、創業時から経営に関わっていた方が社長になっているケースが多いでしょう。

そういった社長は、何かしら「熱い想い」を持っているはずです。
それが、企業理念になっているケースもあれば、社長の胸の中だけにあるケースもあるでしょう。

私からの提案は、社長が新規ビジネスの企画を担当者に任せる際に、白紙で任せるのではなく、「おれは○○の人たちの役に立ちたいんだ。○○を解決したいんだ。それができる新規ビジネスを考えてくれないか。」と、社長の「熱い想い」を伝えてはいかがでしょうか。

そうすれば、社長の「熱い想い」は担当者に「感染」し、より積極的に新規ビジネスに取り組めるのではないでしょうか。

3月13日(月)に、当社オフィスにて勉強会を行います。

3月13日(月)に、当社オフィスにて勉強会を開催します。今回ご紹介した新規ビジネスのための4つのアプローチも、勉強会の中でも検証していきたいと思います。

ご興味ある方は、以下のサイトからご連絡ください!

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https://osslabo.doorkeeper.jp/events/57515

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