苦労したことない若者が増えている理由とは?
昨日の夜NHKオンデマンド(NHKの番組が放送後に見れる有料サービス)で「ドキュメント20min. 『私に“苦労”させてください』」という番組を見ていました。
就職のエントリーシートで、「苦労したこと」や「挫折したこと」に「書くことがない」と悩む学生が沢山いるそうですね。
そういえば、弊社に面接に来られる学生でもエントリーシートのその部分に苦し紛れとしか思えないコメントが書いてあることが結構あるような気がします。
私の頃は、就職試験対策なんてしていませんでしたが(私だけしていなかったのかも)、「苦労」や「挫折」の体験で困った覚えはありません。もちろん本当の苦労も挫折も就職後に経験してますが、学生時代でも充分に回答は出来ました。
バブル世代のように右肩上がりで成長したわけでもなく、「失われた20年」に育った若者たちが「苦労知らず」というのは不思議な気がして、番組を見ながら考えていたのですが、学生時代は親の庇護の元で暮らしていますから、苦労は天から降ってくることはあまりないなあと気づきました。
つまり自分から買わないと苦労も挫折もないんですね。
じゃあどうして学生が苦労や挫折を経験するかといえば、要するに実力以上の成果を求めて「挑戦しにいった」結果として苦労したり挫折したりするのだと気が付きました。
つまり「苦労したことがない」というのは、「ストレッチして高い目標にチャレンジした事がない」ということのでしょう。
確かにそれは問題ですね。
裏返してみると、自分の力を知っていてその力の範囲で無理をしないという賢い証拠でもありますが、仕事をしてからそうそう実力に見合った仕事ばかり与えられるわけではありませんから、ストレッチ経験は欲しいところです。
就職試験でこの質問をする理由は、「チャレンジする人かどうか、そしてそのときどう対処する人か」を確認する質問だと改めて気づいた次第です。
学生時代に挫折も苦労も味わった私なんかは、自信過剰で向こう見ずのアホだったんでしょうね、きっと。(今でもか)
しかし、「若いうちの苦労は買ってでもしろ」とはいうものの、この番組に出てくる3泊4日の農業体験が「買ってする苦労」とは、ちょっと笑えました。
どうせなら、「クラスで一番かわいい女子(イケメン男子)にアタックしてみる」とかやってみればいいのに。
いい具合に苦労も挫折も味わえるかと思います。(笑
成功したらそれはそれでラッキーだし。
私は自分が担当する面談では、想定問答を暗記で答えてくるこの手の質問を、今まであまり重視してこなかったのですが、「挑戦するかどうか」という視点でちょっと深堀してみようかなと思いました。
それにしても、「賢い人」は確かに必要なのですが、今の日本企業に求められるのは「今までの常識を超えるブレークスルー」だったりします。
「挑戦する人」は歓迎しますので、「失敗になっていない失敗談」より「向こう見ずに挑戦して学んだこと」を聞きたいものです。