動画コンテンツに適したカメラはどれですか?
引き続き、動画ネタです。
昨日は、動画コンテンツをすばやく作るコツを書きましたが、そもそも撮影機材をどうするのかというところも気になりますよね。
私の場合はミラーレス一眼を使ってます。
そもそも動画にはビデオカメラというのが、今までのデファクトでありましたが、映画やCMの業界でもすでにデジタル一眼レフを使うことがデフォルトになりつつあります。
その理由は撮像素子(センサー)の大きさです。
放送業界で一般的に使われるセンサーのサイズは1インチでした。ハイビジョンカメラではもうちょっと大きいかもしれません。
では、静止画用のカメラではどうかというと、一般的なコンパクトカメラで使われているセンサーは1/2.5インチ程度、ハイエンドコンデジと呼ばれる高級機種では1/1.5インチくらいになります。
これがミラーレス一眼カメラだとマイクロフォーサーズの場合は名前のとおり4/3インチで1インチより大きくなります。
ソニーのNEXや一般的な一眼レフカメラではフォーサーズの倍の面積になり、フルサイズと呼ばれる高級一眼レフでは、さらに倍の大きさになります。
画素数は、センサーのサイズの中にどれだけの画素を詰め込むかなので、センサーサイズとは関係なく、大きなセンサーサイズになればなるほど、余裕のあるきめ細かい画像を吐き出します。
例えば同じ1000万画素のカメラでも、コンパクトカメラが1/2.5インチのセンサーに1000万個の画素を詰め込むのに対して、一般的な一眼レフでは16倍ものセンサーの面積に同じ1000万個の画素を詰めます。
ですから、この余裕が画質の違いになります。
そして、もう一つ大きなセンサーを使うと、被写界深度(ピントの合っている範囲)が小さくなるという利点があり、つまり「ボケ味」につながります。
映画やCMではこのボケ味が映像表現に重要で、放送用機器を使わずに一眼レフの動画を使うようになったわけです。
そして、その画質やボケ味を手軽に手に入れる方法がミラーレス一眼の動画機能です。
一人で取材することが多いので重量的に非常に軽くなることは重要です。
ハイビジョン動画を撮れるデジカメは今では1万円程度の中古のコンパクトデジカメでも可能なのですが、実はこれ明らかなオーバースペックで、そのまま編集できるマシンは64ビットOSとマルチプロセッサ必須でメモリを32GB積んだようなハイエンドマシンで短時間を編集するのがやっとという感じです。
ですから、結局はフルではないハイビジョンサイズか、DVDサイズに収めてしまうことになるので、フルハイビジョンかどうかより画質とボケ味を重視するわけです。
そしてもう一つ、フォーカスです。
動画のオートフォーカス技術は静止画のフォーカス技術と相当違いがあり、得意なメーカーと苦手なメーカがあります。
元々ビデオカメラを作っていたメーカーは、やはりここでは強く、デジカメ動画でオートフォーカスが使えるのは、ソニーとパナソニックとニコンの新製品だけです。
プロであれば基本はマニュアルフォーカス(動画は今でもそうです)なので問題ありませんが、一人で全部やる取材の場合は、やっぱりあったほうがいいでしょう。
今日の紹介にあるような動きながらの撮影では、オートフォーカスが必須になりますね。
もう一つ、音声の問題があります。
内蔵マイクでは音質もさることながら、カメラ操作のノイズが入ります。
音声が入る動画の場合、内蔵マイクで撮ったものは音量を上げないと聞き取りにくく、長時間視聴できません。
ところが、コンパクトデジカメでは、外部マイクを接続できる機種がほとんどないのです。
ほとんど唯一Nikonの高級コンパクト機種(値段は一眼レフと大差ないです)がマイク端子を付けているくらいです。
ミラーレス一眼もスペースの関係でマイク装備は貧弱です。
オリンパスやパナソニックの一部の機種では外部マイクが付けられません。
ソニーやオリンパスは専用オプションになります。
サイズの関係か一眼レフになるとほとんどがマイク端子を付けていてなんでも使えます。
ということから総合的に判断すると、インタビューが撮れて、軽くて、ボケ味のある撮影が一人で可能な動画カメラは、ミラーレス一眼が最適で、中でもソニーのNEX、パナソニックのGHシリーズ、ニコンの新製品である1シリーズがいいのではないかと思います。
これらは全てレンズ込みで1kg以内と軽量で、オートフォーカスで動画が撮れて(スピードは今ひとつですが)、外部マイクが使え、レンズを交換してボケ味のある動画が撮れます。
一人でインタビューや取材を行う人は、ここから選択するのがいいかと思います。
ということで、ソニーのNEX-5で撮影したサイボウズ ガルーン 3 の紹介ビデオをどうぞ。
YouTube: サイボウズ ITproEXPO2011_ガルーン3編
動きながらの撮影ということで広角レンズを使っていますので、ボケ味は今回はあんまりわかりません。
このビデオは、オプションの外部マイクをカメラに取り付けて撮影しています。
本格的な音質は期待できませんが、聞き苦しくなることはなくレポートには充分です。
カメラに取り付けられる外部マイクは、動きながら一人で取材する人には必須のアイテムですね。