南三陸へ行くにあたって思うこと【ITで日本を元気に! 911合宿】
明日は南三陸町に行ってきます。
震災以来、東北へはもう8回目くらいなので、改めてという感じでもないのですが、今回は単独行ではなく同じ業界の震災復興を支援したいと思っている方々との合宿なので、ちょっと気持ちの持ちようがいつもとは違っています。
仙台のトライポッドワークスというセキュリティのアプライアンスなどを開発している会社の社長である佐々木さんが代表発起人となって、「ITで日本を元気に」という取り組みを行っていて、今回はその活動の一環としての合宿です。
(一応、私もこの活動の発起人の末席に名を連ねているのですが、全くもって何も貢献していないのでお恥ずかしい限り)
宿泊して議論する場所になっているのは、震災で営業不能となったところから復活した南三陸の民宿なのですが、住所を確認してGoogleマップで、地図モードから写真にしてびっくり。
高台に囲まれた海沿いの小さな平地なのですが、周囲は完全にガレキしかなく、その集落で唯一建物と視認できるのが、その民宿です。
高台に面していて、周囲よりも本の少し高かったので建物が残っているのだと思うのですが、たぶん無傷ではなかったでしょう。震災後は避難施設にもなったようですから、まさしく被害にあわれた方々のいろんな思いが詰まった場所で、一夜を過ごすことになるわけです。
東京で行われる震災復興に関する議論は、机上の空論とよく言われますが、実際に現地のみなさんと同じ場所で、同じご飯を食べながら話しあうことで、本当に役立つ支援とは何かということが少し分かってくるのではないかと期待しています。
私は元建設業ということもあり、建設業に知人は多いのですが、震災後の復興にかかる金額試算を見て、正直日本は大丈夫か?と思いました。そして、東北は復興特需が来るだろうと。
でも、実際には未だにそういう状態にすらなってはいません。
もちろん原因は復興の計画がまだできてはいないからです。
震災以来、東北へ何度も行って、いろんな立場の方に、いろんな話を聞きました。
東北のIT事業者は仕事がなくて困っています。
東京のITベンダーの施策はニーズと乖離して応募する人はまばらです。
そして、現地にはITニーズはあるようですが、支援する人がいません。
そして復興のための予算だけは計上されています。
なにか、ちぐはぐです。
個々人でいろんな思いや希望があるとは思いますが、復興の理想の姿は「みんなが安心して長く働ける社会」です。
援助ではなく、自活して働けることが明日への希望を生み、東北の生産力を上げて、日本の経済力を上げます。
試算した結果を見たことがないのでわかりませんが、元の場所を元通りにしたとしたら、おそらくは日本の経済力では力不足でしょう。
そして、そもそも福島のようにお金の問題ではなく、現在の人間の叡智の限界で、すぐには元通りに戻せない場所もあります。
仮に、それが無理であれば、新しい暮らしのプランニングをしなければいけませんが、コストも効果も住民の意識も全体像は何もわからない状態ですから誰も判断ができません。
もし、それらのいろんな情報が一元化されていて、かかるコストとプランの内容と、そのプランへの住民の賛成度が出ていて、プランが何通りかあったとしたら、全員を満足させることは難しいかもしれませんが、少なくともどれかを選択して、滞っている様々な復興施策を、すごいスピードで進めることができるのではないかと思います。
情報が共有されない原因はITの問題というよりは、おそらくは組織や仕組みの問題のほうが大きいとは思います。
しかし、ITの力でもソーシャル的な手法をはじめ、いろんな情報を見える化して集約していくことはできます。
情報共有と情報流通こそがITのもつ力です。
まずはIT業界に携わる私たちこそが、会社や地域の壁を超えてきちんと情報を共有し流通させて、まだ気づかない自分たちができるITの力をきちんと見える化することが今回の合宿でできればいいなと思っています。