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~攻撃は最大の防御なり~正解のない対策を斜めから斬る

データ改ざんで地検トップは問題ないと?ここにはデジタルデータの扱い方も情報リテラシーも何もない

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デジタルデータは容易に改ざん出来ますが、誰(何)が改ざんしたのか?が重要になります。今回のケースで言えば、証拠保全前と、保全後に分かれます。PCが何らかの問題で改ざんしてしまう可能性もある以上、一般人以上の扱い方やスキルを持たなければ・・・って、持っていたはずなのですけどね。

地検トッフ゜問題ないと判断

大阪地検特捜部の主任検事が、押収した証拠のデータを改ざんした疑いで逮捕された事件で、この主任検事がデータを書き換えた可能性があることは、ことし2月、大阪地検のトップの検事正にも報告されていましたが、事実関係を十分確認しないまま問題ないと判断されていたことが、検察関係者への取材でわかりました。

大阪地検特捜部の主任検事、前田恒彦容疑者(43)は、厚生労働省の局長だった村木厚子さんの無罪が確定した事件で、押収したフロッピーディスクのデータを改ざんしたとして、21日夜、証拠隠滅の疑いで逮捕されました。逮捕前の事情聴取に対し前田検事は「わざとではなく誤ってデータを書き換えてしまった」と説明していたということです。

一部では、間違えでなく遊んでいたら。。。書き換えてしまった。と訳のわからない報道を見ました。間違えても、遊んでもいいのですが、それが証拠となるならば慎重な扱いをしなければなりません。もちろん知っていたはずですし、仮に何かの間違いで知らなかったとしても・・・改ざんの事実に変わりはありません。結局は改ざん前のデータがあり、どうにか発見出来たようです。

私もデジタルデータの不正調査をしますが、必ず原本から複製1を作り、更に複製2に対して調査します。私の場合、遊んでしまうことは無いのですが、間違える可能性は否定できない以上、複製を2つ以上作ることで回避しています。

4年前にメールが熱い・・・で書きました、メールの贋作を思い出しました。(堀江メール問題

贋作とは、がんさく

にせ物を作ること。また、そのにせ物。
「―の仏像」「名画を―する」  三省堂提供「大辞林 第二版」

贋作なんて、掛け軸など高価なものしかないと思っていた。メールにも贋作があるのだとはじめて知った(笑)

このメール贋作って、メールを紙にプリントしたものが、体裁も整っていたので間違いないとか、原本でないなど。。。ここでも訳のわからない議論がありました。何を基準に判断しているのか?訳がわかりません。

アナログなモノならば、贋作もあるのだと思いますが、デジタルに贋作はありません。何度コピーしても劣化しませんし、改ざんも容易だからです。

今どきは、メールにしても、何らかの証拠にしても、デジタルが絡んでくるものは多くあります。デジタルデータの特性を十分に知らなくては、何も調べることは出来ないでしょう。

ミソもクソも一緒にすれば、一部でもこんなことがあれば、全体でもあるのではないか?と疑われても仕方ないでしょう。通常は逆の立場なんですけどね。激しく「お粗末」な感じがしています。

改ざんに関するブログ:10年前のHacker天国から、今は情報漏洩大国に向かう農耕民族の危機意識

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