【広報かるた】・【ぎ】逆質問。「それを聞く君、どう思う?」広報隣で冷や汗流す。
「逆質問」。なんと甘美な響きでしょう。
広報の世界では、話し手のエキスパートが時折利用する特殊装置みたいなもので、ガンダムで言うならば、さしずめ「トリモチランチャー」。瞬時に相手の身動きを封じることができます。
取材する人々は、大抵、相手に質問されるなどと思っていません。「質問に対して質問で返してくる?ウウム、こしゃくなっ!!」と心中穏やかでなくなること必至です。
でもね、気をつけてください。このトリモチランチャーもとい、「逆質問」は、新人パイロット、失礼、スポークスパーソンがむやみに使うとヤケドをします。特にちょっといかつい感じのベテラン記者についこんなことを言ってしまえば、
「私が貴方に聞いているんですよ。」と一蹴されてしまうことでしょう。
*一部主観的な思い込みに基づいた不適切な表現があります。ご容赦ください。
生兵法は怪我のもと、というやつですね。
つまり、「逆質問」とは何のためにするのかを知っておかなければなりません。そして、決して万能ではないことも。
一つは、不意をつかれたときの時間稼ぎとして。例をあげてみましょう。
記者「先日□□が○○だっていう話しを聞いたんですけど、実際はどうなんですか?」
スポークスパーソン「それを聞く君、どう思う?」
記者「いやー私は火のないところに煙は立たないっていうか。。。当たらずとも遠からずなのではと。。」
(この間に考えや論拠をまとめる)
スポークスパーソン「まずそのことについては論拠に乏しいと言わざるを得ませんね。事実はこうです。□○×△#$%&+¥。」
もうひとつは、記者自身の見方を確認するため。例えばこうだ。
記者「御社のExxxxxx、ずいぶん話題になっていますね。かなり売れているんですか?」
スポークスパーソン「それを聞く君、どう思う?」
記者「いやー、かなりのものだと思いますよ。」
スポークスパーソン「さすがだね君。この製品のポイントはね○△□×$%&#+¥」
三つ目は、場の主導権を握るため。確認してみよう。
記者「主力製品の最新版がいよいよ出ましたね。製品と事業の視点から今後の展望などをお聞かせください。」
スポークスパーソン「それを聞く君、どう思う?」
記者「いやー、私に聞かれても何とも。。きっとすごい製品なんでしょうね。」
スポークスパーソン「もちろんだとも。今回の最新の製品はまず人々の生活に大きなイノベーションをもたらすことをコンセプトにしている。つまり、□□が○○で××が△△なことから$$$で&&&な+++が¥¥¥¥しているんですよ。だから・・・(ry」
などとなる。
この逆質問はある一定の信頼感やスポークスパーソンが場を支配する力をその空間に有していないと、先述の「ちょっといかつい感じのベテラン記者」には空振りしてしまうことになりますので注意が必要です。スポークスパーソンは熟練者が望ましく、「逆質問」を特別に用いるかどうかは、事前に広報担当者と相談しておいた方が望ましいでしょう。
ところで、逆質問が行き過ぎてスポークスパーソンが取材者になってしまわないように気をつけたい。
Happy逆質問!