サンフランシスコ第一号店オープニングセレモニーに見たユニクロのすごさ。
スティーブ・ジョブズ氏の命日である10月5日、ユニクロのサンフランシスコ第一号店がオープンしました。オープンから6日たってもいまだに1時間待ちの行列を作っている*西海岸の旗艦店。どうやらまずますの滑り出しのようです。そのオープニングセレモニーで柳井CEOがご挨拶をされました。私は、いわゆる経営とは全く異なる視点で柳井CEO率いるファーストリテイリングのすごさを目の当たりにしたので、それを綴ってみたいと思います。
*日経新聞シリコンバレー支局O記者のつぶやきより
ファーストリテイリングと言えば、楽天と同じように、社内で英語を公用語にしたことで話題になりました。さすが、グローバルサプライチェーンを早期から構築し、世界で事業を展開している同社。やることが早いし、とんがっている。成長をするために私たちは、グローバル視点で物事を考えねばならないのだ、と否応なく考え、実行を迫られるような気がしていました。
そして、それを率いるCEOは、さぞかし外国慣れしていて、英語なんて母国語のように操るマルチリンガルなのではないか等と、勝手に思ったりするわけですね。
そこで、このオープニングセレモニーにせっかく立ち会ったので、柳井氏のご挨拶の模様を録画し、文字にもしてみました。ご覧ください。
Good morning everyone. Yeah.
I am now so much excited.
And because our store will be opening soon and also I would like to express my personal experience.
45 years ago, I was 18 years.
I first step in this USA in San Francisco, is a my first experience to round here and also I must say
I am 49er. Because I was born, 49 year.And also, coincidentally, do you know, today, today is a day.
What's day do you know?Today is a Steve Jobs, passed away, one year ago. I admire Steve Jobs so much.
and this is a place of innovation. I would like to make innovation here from today.
Thank you very much for your listening.Thank you
(抄訳:おはようございます。
私は今、とても興奮しています。
それは、私たちの店が間もなくオープンするからです。
私の個人的な経験を共有しましょう。
45年前、私は18歳でした。私は初めてアメリカのサンフランシスコこの地に足を踏み入れたのがこの頃です。
私は、49erなのです。1949年生まれですから。それと、偶然ですが、今日は何の日かご存知ですか?
今日はスティーブ・ジョブズ氏の命日なのです。私は彼をとても尊敬していました。
ここはイノベーションの街です。私は今日、ここで、イノベーションを起こしたいと思っています。
ご清聴ありがとう。)
YouTube: UNIQLO San Franciscoユニクロ、サンフランシスコ店をオープン。
お気づきでしょうか。柳井氏は、決してネイティブスピーカーではないのです。しかし、そこには伝えたいこと、人を動かすメッセージがあります。
同社が英語を導入したのは、CEO自らのコンフォートゾーン(快適領域)に身を置き、周囲についてこれるかどうかを問うものではありません。これから成長するグローバルカンパニーとしてどうあるべきか、どのようにふるまうべきかを考えた結果なのだと。そこに、CEO自身がチャレンジしているのだということを理解しました。並みの覚悟ではこんなことはできません。強い意思をもって、そこに道を作っていくことを選択したのだと理解しました。
柳井氏のご挨拶に触れ、大事なのは英語力ではなく、「言いたいことがあるかどうか。」「人を動かしたい意思があるかどうか。」ということを改めて学びました。必要なのは、英語が堪能なことではなく、リーダーとしてのコミュニケーションだということを。
益々の成功を祈っています。