ヒゲを伸ばしてみる
在米時代のあるとき、父がヒゲを伸ばし始めた。ちょうど40歳を越えた頃だったと思う。なぜヒゲを伸ばし始めたのがその理由を聞いたことはないが、案外似合っていたのを記憶している。きっと不惑の年というテーマに直面した時、いろいろ考え始めてしまったのだろう。惑わぬようにするために、いろいろやっておこう、ということなのかもしれない。
ということで、やや意味不明な解説だが、8月から、少しずつヒゲを伸ばしてみた。もともとそれほど生えない体質なので、「お、ヒゲ?」と仲間に指摘されるようになるまで3週間ほどかかってしまった。
さて、ヒゲはファッションとしての確立がされているらしく、その髪型ならぬ「ヒゲ型」が決まっているらしい。特筆すべきは、いわゆる「無精ヒゲ」はそのヒゲ型として確立されているスタイルではないということ。つまり、一般的に、何らかの方法で形を整えていく、というのが望ましいそうだ。
私もヒゲを伸ばしてからしばらくの間は完全な無精ひげ状態が続いていた。しかし、不揃いに生えていくそれらを見た友人から指摘をされてしまった。そこでいよいよ形を整え始めることにしたのだ。
課題は、どんな道具を使って整えていくのか、だ。高性能のヒゲトリマーが各社から発売されているので、検討をしてみた。
最有力候補は、パナソニック社製のER2403PP-K。安価な上に、トリマーの長さ調整が簡単で、使いやすそうだ。
しかし、まだ初心者、かつ生えるスピードもゆっくりだ。いきなりこんな文明の利器に頼っていいものかと逡巡していたところ、近所のコンビニでいいものを見つけた。それも、たったの900円。それが、ギャツビーのまゆ毛手入れ用ハサミ。
刃先に小さな櫛がついているスグレモノである。さっそく購入し試してみたところ、当のヒゲを梳(と)かしながらチョキチョキできるので、結構よい。ただ、これは、ゆっくり生える人向きなのだろう。生えるのが早い人がこれでやっていてはいちいち面倒に思うのかもしれない。
まだ、1か月程度だが、私のヒゲを見て「何かあったの?」と言う人はいるが、「そんなのやめなさい」という声はきこえてこない。再来週はいよいよオラクル・オープンワールド開幕にあわせて久しぶりの渡米。サンフランシスコ現地で仲間にグローバルで通用するヒゲアドバイスをしてもらうことにしよう。