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もしも洞察力があったなら……。

選挙の裏側:もう一つの戦いという邪推

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もう一週間がたってしまったが、参議院選挙の開票速報はみなさんご覧になっただろうか。

先週、日曜日の夜中ということもあって、翌朝早起きをする方々は睡魔と戦う大変な一日だったと思う。さて、戦いといえば、参院選そのものの戦い、あるいは、午前二時から行われたワールドカップ決勝戦があったが、全く別の側面に潜むもう一つの戦いを、邪推混じりにお届けしたいと思う。なお、本稿はあくまでも個人的な視点にもとづく意見であり、事実としての主張をしているものではないのであらかじめ御了承をいただきたい。

皆さんは、今回44議席に終わった民主党の党首会見をご覧になっただろうか。そう、午前12時半から行われた会見である。私はNHK民放各局をザッピングしながら見つつ、仕入れたばかりのハードディスクレコーダーで民放の番組を録画しつつ、視聴をしていた。

冒頭五分半にわたり、菅直人党首は、今回の参院選の講評を行なった。このメッセージの内容については今日は言及しないことにする。さて、一通りのメッセージが終わったあと、女性の司会者が幹事社(今回の会見の取りまとめ役。場の混乱を避けるために記者クラブなどであらかじめ決められている。多くは月次担当の輪番制。)からの質問二問を促す。すかさず読売新聞者の某氏が質問をする。菅直人党首が回答をする。

問題はこのあとの数分間だ。

司会者が、オープンQ&Aを宣言し、真っ先に当てられたのは何と

ニコニコ動画氏だったのだ。

民主党はもともと開かれた会見に積極的だった。ソーシャルメディアへの理解を大いに示し、ブロガーに門戸を開いたり、従来のマスコミへの対応を超えた世界観の醸成に熱心だったと言えるだろう。

そこでニコニコ動画が真っ先に当てられた。

よっぽどに素人会見でない限り、司会を務める広報担当者は会場のどこに誰が座っているかをある程度知っている、または熟知している。しかも重要な選挙戦での党首会見だ。広報がこれらを掌握せずに会が進行したとは考えにくい。彼らも、プロだからである。

さて、ニコニコ動画である。
質問は、失礼ながら、国民との距離をどのように縮めて行くのか、という一般的なものだった。(だからこそいいのかもしれないが)このタイミングでこうした新メディアに質問の機会が与えられたことは、革命的である。

しかし、この進行が、別の所に火をつけてしまったのかもしれない。

ザッピングをしていたからならではであるが、当のニコニコ動画質問と回答が終わった瞬間、

テレビ朝日(とおそらくフジ)は、コマーシャルを差し込んだのである。

菅直人民主党党首、現役の総理の会見中にである。

これは一体なにを意味するのだろうか。なぜここでコマーシャルを入れたのだろうか。

いわゆるネット系の新メディア、あるいはチャネルが主導権をとる質疑応答をこれ以上放送したくない、

そんな思想に基づくものである可能性はないのだろうか。(いや、単に時間がきたからというシンプルなものかもしれない。)

オールドメディアが新メディアにタイムを奪われ、それを否定するがごとく、一気にコマーシャルという蓋で封印してしまう。そんなことが行われたのではないか、とものすごい邪推をしてみたのだ。ちなみに、当たり前だがNHK、日テレ、TBSはコマーシャルは入れていない。ちなみにテレビ東京は、会見の放映が一切なかった。ま、これは仕方があるまい。

ものすごく偏った見方かもしれないが、この原稿を一週間寝かせて、改めてビデオで振り返っても、その印象は変わらないのであった。

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