オルタナティブ・ブログ > ニュータイプになろう! >

もしも洞察力があったなら……。

ユーザー主導で使い方が進化するiPhone。つまり、ドリルではなく、穴の発想

»

最近はいっそのこと「ニュータイプになろう!」改め、「ククルスドアン島にいこう!」と改題すべきか思案するほど雑談が多いが、少なからず発見や気づきの共有ということで許してほしい。

相変わらずかたくなに、「iPhoneで私が感動したのはハードではなく、ソフトとネットとコミュニティの多様性と規模である」と申し上げている。次世代のiPhoneが今年発売になったとしても、この見方はしばらく変わらないだろう。これを、「なぜ今さらiPhoneを買ったの?もう少し待てば誰もがうらやむ新型をいち早くゲットできたかもしれないのに。」という方々からの質問への言い訳にさせていただく。

さて、大変多くの人がご存知のとおり、AppStoreには、3月6日から公開されている新作のドラえもん映画キャンペーンの一環で、ドラえもんマンガの初期作品11点とミニアプリ5点の16点のソフトウェアが無料配信されている。ソフトウェア個々のアイコンがイラストの一部をなしており、パズルよろしくきれいに並べると、こうなる↓
82973443

つまり、このアイコンのために、ダウンロードを一つでも開始したらすべてをそろえたくなるという、罠だ。

*もしかしたら世界中のどこかに「15種類しかダウンロードしなかった人」もいるかもしれないが。→もしいたら、教えてほしい「何が貴方を踏みとどまらせたのか?」を。

この楽しみ方は、アップルが考えたわけではないだろう。アップルはドリルを作った。が、必要な穴の形や大きさのほとんどは、ユーザーコミュニティが(勝手に)発案したものばかりである。

このコミュニティに参画する人たちが、考え実践し、またコミュニティに還元している。しかも、本家本元のアップルが想像した領域を越えて、様々に発展している。ここから、私たちはきっと多くのことを学べるはずだ。成功するテクノロジーとは何か。成功するビジネスとは何か。成功するコミュニケーションとは何か。私なりの、「アハ体験」だった。

ところで、この「アハ体験」、B2Cだけと思うなかれ。実はB2Bでも同じようなことが起きている。ここから先は少々宣伝めいているが、あくまでもコミュニケーションの一環ということで、目を通していただけるとありがたい。

オラクルという会社が最近提供を開始したある製品は、技術主導の製品。これが出たときのメッセージは「トンデモなく速い」、ただそれだけだ。使い方とか、適用業務領域とか、そんなものはほとんど提案していない。いきなり市場にバーンと投入したのである。

検証は、興味を持った「イノーベータ、アーリーアダプターな企業」とともに行なった。オラクルという会社の技術陣は(多分)「ホンマ、なんに使うんやろねぇ?」と思いながら、システムを動かすたびに湧き上がる顧客の歓声と、驚愕のため息を聞いていたわけだ。テストをしていた企業は一通りのワークが終わると決裁に入った。短時間での採用決定である。ところで、くだんの製品の場合、具体的に何に使うかは、顧客があまり教えてくれないことも多い。ただ、「自分たちの仕事のやり方が根底から変わってくる」と興奮して走り去っていくのだ。

こうしたイノーベータ・アーリーアダプターの需要が一巡すると、製品のすごさが他社にも伝わり、アーリーマジョリティな企業の中からはまるで新型携帯電話を買うお父さんのように、「いいからすぐに持ってきて」というケースが出てくる。相変わらず何に使うのか、最初はあまり教えてくれないが、稼働し始めるとユーザと共同で事例情報を公開したりして、内容が明らかになる。それらの多くが、私たちが製品を発表した当初は思いつかなかった使い方をしている。(もちろん重要なシステム。そして、大きな意味ではデータの分析と処理ということに変わりはない。)

*4月6日、TSUTAYAで有名なカルチュア・コンビニエンス・クラブ社の導入決定発表が行われた。

さて、iPhoneの会社や、オラクルという事業体を理解するためには技術やアイディアが主導する「プロダクトアウト戦略」の一読をお勧めする。アイディアや技術、製品に強みを持つこと+コミュニケーションのあり方で大きなビジネスチャンスをつかむことができるのかもしれないからだ。


*本文の記載事項は、ある一定の事実に即していますが、見方による解釈の違いなどが生じている可能性があります。それから、個人的意見です。予めご了承ください。

Comment(0)