OpenStack発祥秘話
OpenStack の「はじまり」について、「Rackspace」 と 「NASA」 による合同プロジェクトである、とよく言われているが、その経緯については諸説あり、都市伝説のような逸話もある。
もともと ISP であり Web ホスティングサービスを手掛けていた Rackspace は、2005年からクラウドサービスを展開しており、オブジェクトストレージに関しては Amazon S3互換の Rackspace Cloud Files サービスを提供していた。 一方で、NASA は自組織の研究開発用のプライベートクラウドシステムとして Amazon EC2 互換のEucalyptus を検討したがスケーラビリティや信頼性の問題に直面し断念し、内製開発に切り替えた。これが、Nebula と呼ばれる 仮想コンピュート環境インフラである。
2010年3月、Rackspaceはオブジェクトストレージの Cloud Files をオープンソース化。 NASAも2010年5月に Nebula をオープンソース化。 この2つのソフトウェアは両方とも Python と呼ばれるコンピュータ言語で書かれていた。
ここからが都市伝説的なのだが、2010年6月半ばに Rackspace の誰か(笑)が NASA に電話し、オブジェクトストレージと仮想コンピュート環境を組み合わせたクラウドコンピューティングの開発を一緒に進めないかと話したとか。
翌月の2010年7月、米国オースティンで OpenStack Design Summit を開催。 30社200名が集まり OpenStack プロジェクトが開始されたと言う。
時系列的にみて、電話の件(くだり)は 「眉唾」 ではあるが、いずれにしても2010年の前半数か月で OpenStack プロジェクトが構想されスタートを切ったというスピード感なようである。