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IBMのサーバー事業が中国のレノボに売却されて困る理由

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IBMのx86サーバーのLenovoへの売却によるユーザーへの影響は限定的と思える。

ちょうど10年前の2004年、パソコン事業売却の際にはグローバル企業を含む大企業に激震が走った。そもそも現在世の中にあるPCは(MACを除いて)IBMが創ったとも言えるくらい、IBMの影響力が高かったものである。
IBMがPC開発に際して、それまでの全て自前で開発する方針を変えてインテルのCPUとマイクロソフトのOSを採用。更には、自社技術の漏洩に神経を尖らせていたはずにもかかわらずPCの仕様を公開した。それによって、IBM-PC の互換メーカーが数多く登場した。HPやDELLもそのひとつである。マイクロソフトもこの波に乗って大躍進することとなったことは言うまでもない。

そんなIBMのPCブランド、特にノートPCの ThinkPad は、多くの企業で社内標準PCとして採用されていた。そんな状況での突然のPC事業全体のレノボへの売却であった。

当時、日本の大企業はもちろんのこと、アクセンチュア等の "業界をリードする"、いやそれ以上に ”企業のIT化推進を導く”役割であったグローバルコンサルティングファームもThinkPadを標準PCとしていた。そんな企業のIT部門に激震が走ったことは言うまでもない。
メンテは大丈夫か? 今後の導入PC の見直しは?と。

結果は若干のリスク分散の意味合いでの複数メーカーを標準PCとして採用するという流れは生まれたものの、今だにグローバルカンパニーや日本の大企業は ”Lenovoの” ThinkPadを採用している。
問題となるような品質低下も無く、メンテナンス体制も維持されたということだろう。当時のレノボって何者?状態でも大丈夫だったのである。

基本的にはPCと同様の構成のx86サーバーの売却先が得体の知れない企業や勝手に独自色を出したがる日本企業ではなく、IBMからPC事業をスムースに引き継ぎ、その後も世界の主要PCメーカーとして成長を遂げた Lenovoであったことは既存ユーザーにとって、品質やメンテの心配が極めて少ない歓迎すべき結果であったと言えるだろう。

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