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Facebook と 選挙 と ”のぼり旗”

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ついに、というよりも、やっと、ネット選挙:インターネットを利用した選挙運動が解禁される。

政党、候補者は未知の領域に戦々恐々。いわゆる選挙屋は、ポスター、ビラ、選挙カー等に加えてのアップセル商品として取り込みに注力。Web制作、Facebookページ制作会社や街のITコンサル屋は、ほぼ 素人の候補者側への売り込みをかけており、三つ巴での熱い混乱状態となっているようだ。

2年前にスキーで膝の骨が砕けて入院した際に刑事さんと同じ病室だった。 外科、特に膝の専門病院だったこともあり、入院患者は皆歩けないけれけれど元気いっぱい!だったこともあり、その刑事さんからいろいろな業界話(?)を伺うことができた。

主に振り込め詐欺(母さん助けて詐欺?)を担当されているようでしたが、選挙違反の取り締まりも重要な仕事だということだった。

選挙違反の取り締まりは事前準備ができるので、事前に相当な情報収集を行っているそう。候補者の経歴、バックグランドや支援団体、支援者。資金の出処。資金集めパーティーのスケジュールや主要な参加者の顔ぶれ。該当演説の予定。候補者感の人間関係など。 そのような幅広い、深い情報を文字通り足で稼ぐそうです。

それで、実際の選挙違反の監視はどうするのか?

これがまた地味、というか人海戦術的なのです。

例えば、街頭演説の現場に行って、候補者ののぼり旗のチェック。 選挙運動前ならば候補者の名前が書いていないか? 選挙運動期間中であればのぼり旗が規定以上の本数ではないか数える、など。

ネット選挙運動解禁となると、このような足で稼ぐ情報収集と監視が難しい。

加えて、今回の解禁内容は、妙に細かく、妙にザル。 電子メール送付は予め受信者の同意が必要だし送信者は政党か候補者に限定。受信者が他の人に転送することは禁止。 しかし、Facebook等のソーシャルメディアやWebは候補者、支援者、第三者とも自由に書いたり、転送したり、共有したりすることもOK。 ビラやのぼり旗のように数の制限もない。  また、FacebookやTwitterのメッセージは電子メールではなくWebと同等の扱いとなっているため、電子メールで禁止されている転送や第三者による応援などもOK。

それらを、足で稼いでいた警察がどのように取り締まるのか?  久々に同じ病室だった刑事さんにコンタクトしてみたくなった。

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