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”情報通信テクノロジは人々を幸せにする”を信条に、IT業界やアジア・中国を見つめていきます。

パワーポイントやめてコスト削減?

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どこにでもありそうなコスト削減で思いつくのがパワーポイント。


生産性の向上なので効果が測りにくいのですが、実体験としては、パワーポイントの利用が相当な生産性の低下を招き、また関連コストを増やしていると思う。

<資料作成に要する時間>

 テンプレートを使って作成時間の大幅短縮はできるものの、それでもパワポを書くのには相当の時間がかかる。 視覚的な効果を狙うあまり、図、デザイン、アニメーションに凝る様になってきて、表や線の若干のズレなんかも気になってしまったりする。

 個人的な感覚でいうと、文章での表現+若干の表や図の挿入に比べてパワポ作成は2倍から3倍程度の時間がかかるような気がする。

<作成した資料の内容>

 個人差があるとは思うが、文章での表現に比べて、パワポの資料は内容が薄っぺらくなってしまっているケースが大半ではないだろうか?

 1ページに書ける情報量が少ない上、ページを跨ることによって、内容が分断されがちで、全体の大きな話の流れが崩れてしまいがちである。

 また、“美しいチャート”ができることでなんとなく素晴らしい資料ができあがったと錯覚してしまっているような気がする。

<内容の説明のゆらぎ>

 情報量が少なく、ページ毎に分断されがちな資料であるが故に、説明者によって内容が変わってしまう。 故意に行えば、同じパワポを使って、全く違った説明ができてしまうこともある。 直接プレゼン(説明)を受けても内容が変わってしまうのだから、資料だけを見て内容を正確に理解することは、よほどしっかりとしたパワポ資料でないと難しいだろう。 この内容説明のゆらぎ、受け手の理解の齟齬が、後に大きな生産性低下を招くことが少なくないだろう。

<議事録>

 前述のとおり、資料だけ見ても内容を正確に理解することが難しいことから、議事録を作成する場合、全てを1から文章におこさなくてはならなくなる。 資料を再作成するほどの時間がかかるかもしれない。 文章で表現された資料であればそれを添付し、その会議での議論のみを記述し議事録として残せば、会議の内容はかなり正確に記録しておくことができる。

<PCトラブル等での時間のロス>

 プレゼンの際に、PCのトラブルやプロジェクタのトラブルで、説明者が復旧作業を行っている間の2、3分、ボーっと意味のない画面を見せられながら待たされた経験は誰にでもあるだろう。 これがひとりの時間ならばまだいいが、聴衆全員の時間なのだから、たとえば20人が3分待たされただけで1時間のロスと言える。(乱暴ですけれど・・)

<印刷>

 カラフルで綺麗な資料ができると、印刷したくなるものだ。 カラープリンタで印刷して内容を確認。 内容そのものの修正もあるが、印刷して気づく微妙な線のズレなんかもあって、修正してまた印刷して確認なんてこともありえる。 もともと枚数が多いこともあり、印刷コストは数倍になっている可能性もあるだろう。

と、ここまで書いて、気がついたのですが、昨年、トヨタで“パワーポイント自粛、パワーポイント禁止”という話題があったようですね。

 もちろん、ここぞ!という時の外部向けのプレゼン、講演などでの、説明を補強、補足するツールとしてパワーポイントは素晴らしいのですけれど、内部のちょっとした会議や詳細の説明が必要な場合には、やはり文章表現にしたほうが、生産性が高いと、皆が思っているということなのでしょうね。

 (そうえいば、ワープロの黎明期に、“本田技研がワープロ禁止”していたことを思い出しました。)


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