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世の中の「うさんくささ」を見抜く手段の一つ。偏微分の概念。使用前・使用後の事例から。

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世の中の「うさんくささ」を見抜く手段が偏微分の概念(といっても難しくありません)。使用前・使用後の事例から。

これは、以前に受講したあるセミナーの時に感じたことですが、日常生活の中でも、時々
気づくことがあります。

  • 効果の要因の本物はどれ?

例えば、ダイエットやエステなどの広告で、いわゆる
「使用前・使用後」のある方のお写真が載っていることがありますね。

ある、ダイエットの方法、エステの効果について、消費者に知らせるためのものなわけですが、このときの写真が、仮に、以下のようなものだったとしましょう(あくまで仮に)。

プレゼンテーション1_4.jpg

この2つを比べた時にどのような感想を持たれるでしょうか?
確かに、そのダイエットの方法、エステ自身に効果があるのだと思うのですが、果たして、使用後(実施後)の効果が、それらだけからもたらされたものなのか、どうかが分かりにくいわけです。

そんな時、使用するのが、偏微分の概念です。

微分積分については、多くのブログを書かせていただきました。まだまだ書き足りない状況ではありますが、ちょっとだけ応用編です。
偏微分という言葉を初めて聞かれた方も多いかもしれませんが、そこはご容赦ください。
まじめに知りたいと思った方は、是非、母校の大学の図書館や本屋の数学のコーナーにお立ち寄りください。

  • 要因がいっぱいある

今までのブログで紹介したものは主に、変数(変化させるもの)が1つだけの場合です。ですが、2つ・3つ(それ以上)の場合もあります。例えば、キレイになれる要因として、
上記の例では、

・ ダイエット
・ エステ

以外にも、

・ 服装
・ メガネをとる(但し、地味なメガネ?)
・ 表情

といった要素も絡んできます。つまり、純粋にダイエットやエステのみの効果を知ろうと思ったら、それ以外の要素を変化させてはいけません。固定させるという意味です。

数学で偏微分といったら、変数が複数ある場合にある変数だけに着目して微分(変化の具合)を見るというものです。上記の表では、変化を引き起こす要因(変数)を3つ挙げています。

ですが、世の中には本来、偏微分で評価しなくてはいけないのに、色々なものが混ざっていて、着目すべき一つの要因に限った評価ができておらず、事実を誤認していることも少なくありません

  • もう一つ例を挙げましょう

だいぶ前になるのですが、
[ ① ] することによって、[ ② ] が良くなる!
という類の有料のセミナーにいったのですが、
具体的には書きづらいので、語尾の字面だけを記載させていただきました。

そのセミナーでは、 [ ① ] 以外にも、 [ ② ] が良くなる要素が人知れず? 盛り込まれていて、「こんなに良くなります」的なことが言われるわけです。

純粋に誇大広告的な要素を組み入れなくても、十分に申し分ないと思えるような内容であったにもかかわらず、余計なものがあるために、「うさんくさ~」ということになってしまいがちです。残念なことです。
むしろ、その「うさんくさ~」のために、受講する側は「もしかしたら、何かを隠しているのではないか? 問題があるのかもしれない」と疑念を抱いてしまう場合もあるでしょう。

  • 変数が複数あるときは1つに絞って

以上のように、何かの変化を比較しようと思ったら、その変化を引き起こした要因を一つに絞って、その変化の状況を確認しないと、本当に効果があったのかどうかがわからないのです。

最初の例では、服装もメガネも表情も同じ写真でないと、着目すべき効果を確認できません

挙げた2つの例については、非常に分かりやすい具体例ですので、「そんなの当たり前でしょう!」と思われた方も多いと思いますが、実は、ある程度データをいじくって見なければ、事実の誤認をしているかどうかを見破れない場合も少なくありませんので、そんな例もまた書かせていただきたいと思います。

P.S
ちなみに、この考え方は、大学で理系の学部へ行って卒業研究で実験でもしようものなら、自然と身に付く資質であります(さりげなく宣伝)。この言い回しにも、誇大広告的な要因がないかどうかチェックしてみてください。

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