かんしゃく持ちや顰蹙をかうメンバーで最強のチームを作る方法
「なんであんな人いれたんですか...?!」
あるグループで、リーダーに対してぼやいているメンバーがいました。
組織で人を採用するとき「この人と仕事をしたい」と思う人を採用したいものです。でも、必ずしも理想通りにいかないことも多いですよね。
「下町ロケット2」でも、「あ。時間だ」とぶっきらぼうに言って勤務終了時間ぴったりに帰宅してしまいチームの顰蹙をかっている凄腕技術者がいましたよね。
こんなチームワークを乱しそうな人をどうするかが、マネジメントの腕の見せ所。
経営学者のピーター・ドラッカーは、「オペラの舞台監督は、プリマドンナが客を集めてくれるかぎり、彼女が何度かんしゃくを起こそうと問題ではないことを知っている。最高の舞台をつとめ上げるうえで必要なかんしゃくであるならば、それを我慢することも舞台監督の報酬のうちである」と言います。
わがままは辛いですが、プリマドンナが出演すればオペラの収益も上がります。パーソナルな弱みを理由に出演させないと、収益が下がって全員の報酬も減ってしまいます。
こういうわがままな人をなだめてコントロールする術を知っているのもオペラ・マネジメントの大事な仕事なのです。
ドラッカーは「成果をあげるには人の強みを生かさなければならない。弱みからは何も生まれない。組織は、人の弱みを意味のないものにすることができる、組織の役割は、一人ひとりの強みを共同の事業のための建築用ブロックとして使うところにある」と言っています。
「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」
これは戦国武将・武田信玄の言葉。適材適所で個人の能力を十分に発揮できる組織を創ることが大切であるという教訓を残しています。
また、お城に行って石垣をよく見ると石の形は必ずしも揃っていません。石の個性を上手く活かして積み上げ、しかも頑強なのです。
これは人も同じ。
チームワークを乱す人に足を引っぱられないために、弱みをそらし、強みに焦点を当てて、組織全体が強くなることを考えることが大事なのです。
【参考文献】
P.F.ドラッカー『ドラッカー名著集1 経営者の条件』上田惇生訳,ダイヤモンド社(2006年)