ただ静かに見ていることが力になる
沖縄に「琉球コラソン」というハンドボールチームがあります。
その琉球コラソンをとりあげたドキュメンタリーが、2015年3月21日、NHK 「アスリートの魂」で放映されているのを見ました。
琉球コラソンは、実業団のような資金力がないため、選手を満足に獲得できません。ケガで戦力外となった選手、また有名な実業団に入れなかった選手たちが主力をつとめるチームです。
一般的に「落ちこぼれチーム」と言われてしまいそうなチームなのです。
専用の練習場もありません。選手達は社会人としての仕事を持っていますので、夕方以降に学校や公共施設を予約しながら練習をしています。
しかし、この琉球コラソンが素晴らしいのは、これら様々な困難を乗り越え、チームワークによってチームの力を上げ、今、男子リーグで勝ち続けていることです。結果を出し続けているのです。
実力が上がってきて「全員で走る」というチームの特色を生かせるようになりなった時期、得点力不足に悩まされていました。
シュートを決める役割の連選手は、技術は一流なのに優しい気持ちが災いし、ゴールキーパーとの一対一で負けてしまうのです。
弱気になってしまった連選手に、チームリーダーの東長濱選手が「見ているからな」と声をかけます。
その一声で、連選手は開眼します。
積極的にボールを奪いに行くようになり、シュートが決まるようになったのです。
この「見ているからな」という言葉の重み。
ただ、静かに心を込めて見守ってくれている。
そう思うだけで力が出るものです。
チーム全体の力を上げることも大事ですが、一人一人をチームが支えるということも大事なのです。
魂の結びつきによるチームワークで、最高のパフォーマンスが出せるようになる、ということを琉球コラソンから学びました。有難うございました。
見終わったあと、爽やかな風が吹き抜けるようなドキュメンタリーでした。