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【ボイトレまとめ 10】音程

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音程を正しくとるためには3つの点が大事です。

(1)声帯のストレッチ

「音程がはずれてしまう」

それは「音痴」だからではなく、筋肉が上手くストレッチできていないことに原因があります。
「自分は音痴だ」と諦めていたり、「音程がとれなくていつも不満を抱えながら歌っている」人が多いと思いますが、原因のほとんどは筋肉にあることに気が付いていないのです。

音を出す声帯も筋肉の一つです。
耳で音をキャッチし、その音にあわせて筋肉をストレッチしながら音程を調整しています。
耳では正しくキャッチできていても、声帯の筋肉が上手くストレッチできなければ、音程は不安定になります。
それは一見「音痴」に聴こえますが、そうではない場合が多いのです。

微妙な音程をとるには、声帯を引っ張りストレッチするトレーニングが必要なのです。
 
声帯のストレッチに有効なボイストレーニングとして「ポルタメント」のトレーニングがあります。
ポルタメントとは、音から音に移る時に滑らかに音程を変えて二つの音をつなげる方法です
あくびをするときに「ふわ~ぁ」と音がずり下がったり、または、物が落ちるときの効果音のような感じをイメージしてみてください。
 
お手軽なポルタメントのトレーニングをご紹介します。

「3度のポルタメント」です。

3度のポルタメントとは、ドからミにポルタメントで滑らかに上がって、またポルタメントで下がります。

「ア」の母音でドからミの間をゆっくりと上がったり下がったりしてみましょう。
 
このトレーニングポイントは、二つあります。
①リラックスした声から始める
②「下がるとき」を特に注意する。下がるときは筋肉が急激に緩みやすいのでゆっくりと下がります。

ドからミができるようになったら、レ←→ファ♯、レ♯←→ファ♯、ミ←→ソ#など、半音ずつ音の高さを変えて練習してみてください。


(2)声の響き

いつも「音が下がっている」と言われてしまう。
実際正しい音なのに、上手な人と一緒に歌うとピッチが低く聴こえる。
 
これは、声のポジションが落ちている場合がほとんどです。
 
歌は音が高くても低くても同じポジションで歌うのが大事なのです。
例えば、初心者の方の歌で、高音になったら「ア"~ッ」と喉を締め上げてしまい、低音になったら「ウゥ~」と苦しそうにおしつけたような声で歌っているのをよく見かけます。
また、母音の「アイウエオ」で、それぞれ暗くなったり明るくなったり・・・・音色もバラバラになってしまうことも多いですね。そうすると音程も不安定に聴こえてしまいます。


高い声も低い声も、また、どんな母音でも、基本的にポジションや響きは「高いところに持っている」ことが必要です。要するにいつも同じ位置で歌うということなんですね。
 
では高い位置ってどこでなのしょう?
 
高い位置は鼻歌の場所です。
「歌は鼻歌感覚」と考えてくだされば簡単。
 
不思議なのですが、「鼻歌だと音痴にならない」と感じている方多いのではないでしょうか?

基本は鼻歌です。
鼻歌だけでトレーニングしていてもよいのですが、やはり実際発声すると下がってしまうことがあります。ポジションをつかむ簡単なトレーニング方法をお教えしましょう。

「ハミングの共鳴トレーニング」
 
1、基本的にどの音程でも良いのですが、真中のドより少し低いくらいの音をハミングで「m~」と発声してみる。
 
2、小鼻の脇を軽~くおさえて(決してきつくおさえないでください)同じように「m~」と発声する。そのとき、軽くビリビリ響いているのを感じてください。携帯の「マナーモード」と同じ音です。
★まずは1、2、でコツをつかんでください。慣れです。
 
3、手を離しても同じような音を出せるまでやってみましょう。
 
4、3ができるようになったら響きを4~5秒間持続させて。慣れたらいろいろな音の高さでやってみてください。飛行機に乗ったときみたいに耳がペコッとなることがあります。


(3)息

力量のない人がロングトーンをすると、自分では同じ音を出しているつもりでも、なぜかだんだん音が下がって変化してしまいます。
これが不思議と「上がって」しまう人はほとんどいません。合唱の場合は他の音につられて上がってしまうということはあるのかもしれませんが、シンプルにロングトーンを行っている場合においては大抵は下がります。
 
それはなぜでしょうか。
 
それは、のばしているうちに横隔膜でのささえがなくなり息が足りなくなるからです。
トレーニングをしている人であれば、支えがしっかりとして、息も長いため、音程を保ちやすいのです。
 
息が足りなくなれば、張っていた弦が緩むように、音が下がります。
弱音で音が高く長い音ほど下がりやすく難しいというわけです。

効果絶大なのは「1分間ロングトーン」です。

ロングトーンとは、音を同じ音で伸ばすことを言います。
 
私はよく「mo~」で行います。
途中で息継ぎをしてもいいので、1分間伸ばし続けます。
1分間は意外に長いものです。
継続してみてください。

「リップロール」や「タングトリル」でのロングトーンもおすすめです。

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