声でハーモニーすると気持ちの良い感覚がする
昨日、小澤征爾さんがNHKのニュースウオッチ9に出演なさっていました。
毎年夏に松本で行われる「サイトウキネンフェスティバル松本」の音楽総監督を務めるために日本に戻ってこられています。
インタビューの中で、音楽の3要素、「ハーモニー」「リズム」「メロディ」の「ハーモニー」を説明するために、大越さんと井上さんお二人のキャスターとともにその場でドミソの和音を合唱していたのが、いかにも小澤さんらしく印象に残りました。
やはり慣れていない大越さんと井上さん。最初の2回は他の人の音につられてブレてしまっていました。しかし、小澤さんが「やっぱり悔しいからもう一回!」と言って、3回目にもう一度合唱。今度は、完璧にハーモニーできました。
小澤さんは、このとき、現場にいてカメラの向こう側で聞いているディレクターさんに「今どうだった?よかったでしょう?」と聞いたところは、よくわかっていらっしゃるなあと思いました。
そうなんです。
ハーモニーしたご本人たちは、正しくハーモニーしてもあまりよくわかっていないということがあるからです。
でも、回りの人が聞けば、どんな人でもその違いは一目瞭然なのです。
プロでも、オーケストラのように人数が多いと自分たちが確実にハモっているかどうか?全体のバランスがどうか?というのは、客観的にわかりにくいものです。
だから、指揮者が必要なんですね。
ただ、正しくハモったときに、井上さんが「音が合ったとき響いて良い感覚がした」というような感想をおっしゃっていました。
音が正確にハーモニーすると、響きができて、空気が振動するような気持ちのよい感覚がします。
そして、音楽に色が生まれるのです。
それが音楽の「ハーモニー」ということを、小澤さんは伝えたかったのではないかと思います。
しかし、合唱した後の、大越さんと井上さんの今まで見た事のないような笑顔が素晴らしかったです。小澤さんとお二人が良いチームになった瞬間です。
これが、合唱の力、音楽の力なんだなあと改めて思いました。
小澤さんは「これ、温泉なんかでやると響いてもっと良いよ。でも、あなた(井上さん)と温泉に入るのはちょっと恥ずかしいけどね!なんなら、あなた(大越さん)とウチの息子とでもやろうよ!」と、本当に気さくなお人柄が感じられて嬉しくなってしまいました。
来年から音楽祭の名称が「セイジオザワ松本フェスティバル」に変更されることになりました。
「一生懸命やる以外ない」と話す小澤さん。
さらに素晴らしい音楽を楽しみにしています。