「嫌なことはさっさと忘れなさい」なんてそんなことが出来るわけない
今まで精一杯懸けて来た仕事を失ったり、仕事でクビになったり、また、最悪の出来事が起こったりすると、「どうして?」と深く考えます。
「あのときは無理をしてしまった」「あの人と出会ったからだ」「なんでもっと早く行動しなかったんだ」・・・・などと思い始めると、芋づる式にそれまで起こったことを振り返り始めるのです。それは、自分がまだ短い人生しか生きていなかったとしても、壮大な物語のように感じられます。
そうすると、ある瞬間、今までの人生から、ピカっと光るものを見つけることがあります。
見つけるというより、今まで忘れているような出来事や他人にとっては他愛のないことでも、「自分には光っているように感じられる」と言ったほうが正しい表現かもしれません。
それは、必ずしも良い出来事ばかりではありません。
二度と味わいたくないようなどん底の経験も、人生から見ると、キラキラと光っているのです。
これは不思議なのですが、仕事が上手くいっていたり幸せなときは、人生を深く振り返ったり、起こったことの意味など考えないものです。
いくつかピカっと光った星のようなものを眺めると、それはまるで一つの星座のように見えてきます。
これは、じつはコンステレーションというものらしいのです。
コンステレーションは「星座」「布置」です。
偶然と思えることが実は必然である、という時に「布置」と言われます。
つまり、そこに、人生から問いかけられた答えがある。
自分が今まで導かれて来た人生の謎を解くと、そこには宝物のような自分の可能性が眠っていて、その意味を深く考えたり感じたりし、解釈できるようになると、その後にチャンスがやってくるのだと思います。
よく「ピンチはチャンス」と言われますが、それは、ただ元気を出すための言葉ではなく、「ピンチのときにその意味を深く考え解釈することでチャンスが生まれてくる」という事ではないかと思います。
私も、すぐに解釈できるわけではなく、何年もかかることもあります。そして、解釈したと思っても、また揺らいだりすることもあります。
人生はそんなに分かりやすい答えを用意していません。
多少痛みが伴ったとしても、その意味を解釈することを求めているような気がします。
しかし、人生で起こることはすべて何かの意味があると考えると、それほど辛くはなくなります。
私が、何かの有り難いきっかけをいただいたのは、今思えば、大抵、辛い出来事の後でした。
そのとき深く考えたのが良かったと思っています。
一般的に「思い出したくもない出来事は早く忘れること」と言われますが、これほどの大事な問いとチャンスを風化させてはいけません。
そこにこそ、人生を拓くことになる答えがあるのです。
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