非モテ逆襲のシナリオ 自分のモテ市場価値を上げるためにするべき2つのこと
最近、講演でお話させていただいた後、Q&Aやおもてなしの宴会で意外に多いのが「”モテ声”を出したいのですがどうすればいいのでしょう?」という質問です。
モテ声については以前の記事、「世の男性のほとんどは女性の気持ちをキュンキュンさせていることに気がついていない」でも書かせていただきました。
モテ声というと一般的に「下心」ばかりが強調されがちですが、じつは、ビジネスの場面や社内のコミュニケーションにおいても重要な役割を果たします。
例えば、尊敬する上司や先輩、仕事が出来る同僚。甲高くキンキン声だったり、モゴモゴと何を言っているのか分からなかったりするより、落ち着いた低い声の方が多いのではないでしょうか。
女性でも同じです。
ある日本の大手外資系IT企業のパーティにお招きいただいたことがありますが、そこは女性のマネージャーが多いことでも有名なところでした。皆さん、ほとんど低い声だったのです。女性で低く深みのある、良く通る声は、リーダーシップと、気取らない雰囲気を感じさせます。
そして、彼らは、たいてい、女性社員に人気があります。
それでは、早速モテ声の具体的なトレーニングに入りたいところですが、その前に本日は、一般的なモテとは何なのかを考えてみましょう。
岡田斗司夫さんの著書「オタクの息子に悩んでます」。
これは、岡田さんが朝日新聞土曜別刷りbeの連載「悩みのるつぼ」で人生相談の回答にたどり着く思考経路を公開した本です。
その中で、モテない息子さんを心配したお母さんの相談に岡田さんが答える場面があります。
以下、抜粋して引用いたします。
「相談者 主婦 50代『・・・・・28歳の息子がいます。昔から女の子にモテナイというか、引っ込み思案でした。背格好は普通の、地味で目立たないいわゆるイケテナイ男子です。・・・・』」
そこで岡田さんは「男女のモテ・モデル」について説明します。
・・・・・以下引用・・・・・
「25〜30才の女性を恋愛市場価値順に並べます。価格は100万円〜ゼロ円としましょう。上位5%は「モテ」、次の25%は「まあモテ」、その下の60%は「モテるわけではない」で、最下層10%は「非モテ」です。
対する男性の25〜30才を並べると100万円〜マイナス100万円。
注目すべきは最安値で、男性はゼロ円ではなくマイナスです。
分布も女性とは違い、上位5%は「モテ」、次の35%は「モテるわけではない」、その下の50%は「非モテ」で、最下層の10%は「キモチワルイ」です。
あなたの息子は第3層「非モテ」男子です。おそらく市場価値はマイナス30万ぐらい。
オシャレや髪型に気を使うと、なんとか0円にまで市場価値を上げられるかも。
対人関係を「積極的に・明るく」と切り替えれば、なんとか第2層の「モテるわけではない」の市場価格20万円クラスにいけるかも。
(中略)
ではどうするか?
ほっといてあげましょう。非モテ30歳でも5年待つと、同年代女性の恋愛市場価値が暴落します。女性はマイナスになりませんが、15〜20万程度の手頃な物件になってそこらにゴロゴロ転がっています。
その時にこそ息子が自分磨きをして恋愛市場価値20万ぐらいに上げていれば彼女ができるかもしれません。」
・・・・・以上引用・・・・・
岡田さんは、「モテ」に市場価値のように数字を用いて、メーターという思考ツールを使い、お母さんのお気持ちが客観的になって気が楽になるように説明しています。
私は、ここで2つのことが大事だと感じました。
一つめは、あきらめずに自分磨きをし、いつやってくるかわからない時に備えること。
チャンスでバッターボックスに立っても、練習していなかったら打てる球も打てません。みすみす大きなチャンスを逃します。
ここで岡田さんは、そのときまでに「非モテ男子が市場価値を上げるためにう〜んと頑張って20万円くらいにしておきましょう」とおっしゃっています。
それが「対人関係を積極的に・明るく」です。
時間も限られていますから、練習の即効性もあって、効果が高い方法をチョイスしたいものです。
その一つのおすすめが「明瞭で良く通り深みのある低い声」を手に入れることです。
なぜ低い声なのでしょうか?
低い声は、説得力や包容力があり、落ち着きとリーダーシップを感じさせる声でもありますが、男らしい声でもあるのです。男性の声を低くさせるホルモンに、テストステロンという男性ホルモンがあります。このホルモンが多いほど声は低くなります。
トロントにあるマクマスター大学のデビッド・フェインバーグ氏は、「クジャクの尾のようなものと考えている。クジャクの尾は、自然界で生き抜く上では全く役立たず、異性を魅了するためにある。思春期に声を男性化する(男性ホルモンの)テストステロンがそれに該当する」と語っています。
(参照→リンク)
理性や頭で考えているだけでは説明できないものが、思わず異性を惹き付けてしまうのかもしれません。
また、声が出るようになると、自信がついて、明るさや、信頼感、説得力につながっていき、積極的に対人関係を築けるようになります。
そして二つめ。
意識が過剰になってしまうより、あまり気にしないことです。
意識するなと申し上げても難しいかもしれませんが、もし意識してしまったとしても、サラリと無意識を装うくらいのほうが素敵でいいのです。不思議なのですが、本当にモテている人というのは、ご自分がモテていることにほとんどお気づきになっておられません。
そのコツは、岡田さんが「お母さんが大笑いして呆気にとられて、息子もなんとかなる、ぐらいのものは書ける」とおっしゃっているように、笑ってしまうこと。
私は、「モテない自分を笑ってしまう」くらいの心構えが大事だと思います。
笑うことで、自分自身の勘違いがなくなり、爽やかな雰囲気がかもしだされて、かえって好感度が高まるのです。
さて、低く通る声は、横隔膜を意識するだけで、スイッチを押したように誰でも出せるようになります。
1日5分の練習で、毎日一生懸命頑張れば10日、週に2〜3日なら1ヶ月で、変化が現れます。
「声が少し低くなって響いてきたな?」と思ったら、いろいろなところで少しずつ試して、自然に低い声に慣れていって下さい。いつの間にか「この人、低くて良い声だ」「信頼できそう」「ぜひ彼にお客さんのところに説明にいってほしい」と、ビジネスでも周囲の印象が変わってきます。
本「DVD付リーダーは低い声で話せ」にもその方法が詳しく書いてありますので、機会ありましたら手に取ってくださりご参考にしてくだされば幸いです。