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「私と一緒に行けば交渉は上手くいきます」 甲高い声の営業は損をする

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ビジネスボイストレーニングの生徒さんたちが最初におっしゃる希望は、まず間違いなく「低い声が出せるようになりたい」です。
 
例えば、自信がないと、もともと高い声がさらに上ずって高い声になってしまいます。そうすると営業における価格交渉のときに足元を見られていまい、結局お客さんから値引き交渉されてしまうというのです。
 
先日もトップセールスの方にお会いしたのですが、大変低い声をお持ちで、「他の営業さんが自分と一緒に行くと、まずお客さんは信頼してくださり交渉が上手くいく」のだそうです。こう書くとなんだか自信満々に聞こえますが、大変謙虚な方で、ご一緒するのが大変心地よいさわやかな方でした。
 
他の方は「難しい交渉のときは声を使い分けている」とも言っているほどで、ビジネスにとっての声とは予想以上に重要なファクターを占めていると言えそうです。
 
確かに、映画やドラマを観ていても、リーダー、権力者、また、信頼されたり安心感を与える役には、低音の俳優さんが演じますし、ニュースを見ていても、経済や政治のニュースキャスターは落ち着いた低い声の方が多いですね。最近の古館伊知郎さんの声も、以前より音程が下がっておられます。
 
もともと高い声の方でもボイストレーニングで低い声の可能性を引き出してあげることにより、交渉において自信をもって臨むことができるようにすることは可能です。
 
「交渉は気合だ。真心をこめて、いつもどおりに行えばいい。」
これも正論ですが、「戦略」とは戦いを略すること。ぜひ「声の戦略」をたてることをお勧めいたします。
 
 
世の中には低い声を出すためのボイストレーニング方法について、「深呼吸をしてから声をだそう」とか、「膝から声を出すつもりで」とか、「あくびをするように」とか、「大股で歩く訓練をしよう」など、よりどりみどりで、どれをやったらいいのかわからなくなってしまいます。
 
しかし良く考えてみると、「低い声」と言っても、人間は「声が低い」と感じるとき、何を基準に低いと感じるのでしょうか?
 
「この人の声は低い」
「この人の声は高い」
そう感じられるのは耳から聞こえる音の高さです。それは間違いありません。
 
まずはこれがわかっていないと、どんなトレーニングをしても、声が良くなるということはあっても、低い声が出せるようになるということはありません
 
人間の声というのは、そのときの体調や精神状態によって、実際に出ている音の高さは変化しています。それは自分ではなかなか気がつかないものです。特に自分の声というのは骨伝導でも聞こえていますから、空気中に響いている音とは少しズレがあります。そしてたちが悪いことに、骨伝導で聞いている自分の声は実際より心地よく聞こえます。だから、良く聞く話で「録音してみた声を聞いてびっくりする」というのはここからきているのですね。
ご自分では「おお、今日は低い声が良くでているな」と思っていても、実際はそうではなかったりする、などということはよくあることです。
 
そのために確実に低い声が出ているということを確認しながらトレーニングをしていく ということは、無駄がなく効果的なトレーニングをする上で大変に重要なことです。
 
私が考える低い声というのは、低い「ファ」から下あたりではないかと思います。日本人ですと、このあたりで話せれば低い声に入るのではないでしょうか。
 
私は、本気で低い声を出したいと考えるならば、自分で出せる音域を広げて、高さを「ぶらさない」ことが確実だと思います。そして体に低い音を覚えこませること が大事です。
 
もし、スマートフォンにこのアプリ→リンク
を導入できるのなら、実際の低音を耳で確認しながら毎日低い音をハミングしてみてください。ハミングは、大きく息を吸ってなるべく長くのばすように。最初「ファ」でなかなか安定して出せないなら、すこし上げて、「ラ」くらいから始めて「♭ラ」→「ソ」→「♭ソ」と徐々に下げてみてください。決して無理をしないように。
 
注意点は 「低い音はリラックスしないと出ない」ということです。ぜひ、頑張らないで、顎の力を抜いて脱力しながらやってみてください。

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