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ライフワークとしての学びを考えます。

なぜ人は簡単に組織に染まってしまうのか そしてなぜ人は静かに去っていくのか

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数年前のことです。恩義のある方から頼まれて何年間かご一緒させていただいたコミュニティを辞めたことがあります。いろいろと悩んだ末、あるとき自分はこのあたりで辞退したほうがいいだろうと感じたのです。これ以上ここにいたら自分の力量では全体もダメになるという直観がそうさせました。
 
今だったら「これは自分に与えられた課題なのだ」と思い、続けたかもしれませんが、当時今よりさらに未熟だった自分は、そういう境涯には達していなかったのだと思います。 
 
「朱に交われば赤くなる」という言葉があります。
それは良い意味にも悪い意味にも通じるのではないかと思っています。
 
よく、「親の顔が見たい」と言われます。
 
通常あまり良くない意味で使われる言葉かもしれませんが、「この子は素晴らしい」と思った子は、親御さんにお会いすると、やはり素晴らしい方なのです。
子供さんは、親御さんの影響を受けているので、その子を見ればどのような方かはだいたい想像がつくのです。
家族は最も小さく最も濃密な組織だと思います。
 
そしてまた、「組織はリーダーの鏡」とも言われます。
 
「あなたには無理だ。人は望むものを手に入れるのではなく、自分の器そのものを手にする。」
 
何年か前そう言いながら去って行かれた方がいて、不思議に「ああ、そうだろうなあ」と深く納得している自分がいました。自分の姿見を目の前に掲げられているような気がしました。良いことを教えていただいたと思います。
 
 
人は色々な顔を持っています。

無限の可能性を持っています。
 
だから、自分の持っている人格を無意識に上手に使い分けて状況に合わせることができるのだと思います。
とくに素晴らしいリーダーなどは多重な人格を使い分けているといわれます。
 
ということはつまり、簡単にコミュニティの色にあわせて染まってしまうのです。
 
だから、「どういう組織に入りたいか」「どういう組織にしたいか」は、明確なほうが良いと思います。
 
良い組織であれば、良き人は残り、ともに成長を分かち合える。
 
もしその反対であるのならば、良き人は何も言わず静かに去っていくのです。
 
 
 
あなたが癒されるとき、世界も癒される。
 
だから、あなたは癒されるべきなのです。

クリシュナムルティの深遠なる言葉。この思想に達することは果てしなく遠い道のりであるにしても、心の在り方を見つめることはできます。だから、他者を分析し裁くよりまずは、自らの心を整え、他者の心に無条件に寄り添うことで世界は良き方向に向かい、平和が訪れるのではないかと思っています。

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