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テクニックはイマジネーションに正比例して高まる

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音楽はイマジネーションの豊さで伝わりかたが違ってきます。
 
2012年6月30日、私が運営する合唱団「コール・リバティスト」の練習を行いました。
 
今回は高野先生に指揮・指導をしていただきました。
 
「イメージを持って歌ってください。」とおっしゃいます。
 
例えば、佐藤眞作曲混声合唱のための組曲「蔵王」の「蔵王賛歌」。
 
中間部の「ほのぼのと」という指示のあるところ、クレッシェンド(だんだん強く)の部分は、白樺の若葉が揺れる雄大な自然を目の前に、晴れ渡る山々が開けてくる場面。
その場面を表現しようと思ったら、この部分では、どうしてもスケールの大きい「少しずつ強くしていく長いクレッシェンド」と、「息の長いフレーズ」が必要となります。
こういう場面で、持ちきれなくて急激に強くしてしまう「短いクレッシェンド」を使うと、どうしても雄大さが出なくなってしまいますね。

この方法を用いると難しいことがあります。まず、大きさを出すためにピアニッシモ(とても弱く)から出発し、それを持続させなくてはなりません。いかにやわらかく弱くても響くピアニッシモを出すかというのは声帯閉鎖を自分でコントロールする技術が必要です。それから「息の長さ」です。長いフレーズを歌おうと思ったら、なるべく途中でブレスしないで歌いきります。たっぷりとした息の長さは、普段のボイストレーニングをしていないと持ちません。腹式呼吸ができているか。横隔膜が使えているか。「支え」がしっかりできているか。そして、クレッシェンドにともない音が高くなっていきますから、ここで、「晴れ渡る山々」をイメージさせるような明るく高らかな音がほしい。音程が下がったりぶれたりして「曇った山々」になりたくないですね?これらが大事な要素となります。
 
演奏方法やテクニックは、イメージをどう伝えるかという手段なのですね。
「音を正確に歌わなくては」とか「発声方法をああしてこうして・・」と、歌い手さんはやることがたくさんあって忙しいのですが、まずは、各自が強いイメージを持つことが大事ですね。
だから、イマジネーション豊かなほど、イメージを実現しようとするためテクニックのレベルは上がっていきます。イマジネーションとテクニックが正比例するという良い結果につながるのです。
 
 
合唱団「コール・リバティスト」では、現在7名のプロフェッショナルにお願いし、ほぼ同時進行で指導を行っています。
 
様々なイマジネーションにふれることで感性の多様性を身につけ、より深く豊かな音楽と、本物を体験していただきたい。
その願いのもと、このような体制で運営・指導をしています。
 
皆さんには、音楽による成長と、良き人生の花を咲かせていただきたい。
いつも心から祈願しています。

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