1年で譜面が読めない人も読めるようになり急速に世界が広がる
2012年6月23日私が運営しています合唱団「コール・リバティスト」の稽古を行いました。
佐藤眞作曲の混声合唱のための組曲「蔵王」を練習しています。
定期演奏会から約一ヶ月経過しましたが、あとは「樹氷林」を残すのみで、ほぼ全曲の譜読みが終わってしまいました。
「蔵王」は9曲の作品からなり演奏に30分近くかかる大作ですが、本当に楽譜を読むのが早くなりましたね。
最初は「ドレミで読みましょうね」と言うと頭をかしげていた団員さんも、正しい練習をしていけば、1年すると鍵盤楽器で音を弾くようになります。
特に、前回の定期演奏会で演奏した中田喜直作曲の「都会」や「海の構図」は、譜面の音が難しく苦労したので、スタンダードな合唱作品は簡単に感じてしまうほど実力がついてしまったのだと思います。
譜面を読めるようになると、良いことがたくさんあります。
まず、音が正確になります。
耳覚えで演奏している人は、ご自分では「合っている」と思っていても、やはり微妙に甘いところがあります。
また、甘いところに気がつきにくく、間違った音程で長期間練習し続けてしまうのですね。そうすると悪い癖がつき、直すのに時間がかかります。
その点、譜面を読めれば、最初から正しい音でトレーニングできますし、たくさんの曲を短時間でマスターすることができるのでとても有利です。
また、できるだけたくさんの作品に接することで、様々なテクニックを作品から学ぶことができ、見える世界が広がります。
今回は早めに作品が仕上がりそうで楽しみです。
この日はマエストロをお招きしての稽古を行いました。(マエストロとは本番を指揮する人のことをいいます)
「倍音が聴こえるようになりましたね」と言われました。
倍音が聴こえるということは、正しい音程と、発声が良くなってきている証拠です。
これだけは、日頃の修練の賜物です。
良い演奏家とは、実際の音だけでなく「倍音」という響きを聴きながら演奏するものなのです。
人類史上最も響きの美しいといわれていたピアニスト、ベネデッティ・ミケランジェリは、人間の耳では聴き取れないほどの倍音までキャッチして演奏していたというから驚きです。
7月22日、新宿文化センター大ホールにて「東京都合唱際」に出演します。
今回はすべて暗譜で臨みます。
良い演奏になるといいですね。
頑張りましょう!