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ライフワークとしての学びを考えます。

「ピアノなんて弾きたくない」 それならやめるのもいい

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練習をしたくなくなることがありますか?
 
やりたくないときというのはだれでもあるもの。そんなとき無理やり練習していても、良いものが出てこないのですね。だって音楽って好きでやるものでしょう?
 
「子供が練習しないので、先生厳しく言ってやってください!」という親御さん、よくいらっしゃいます。
 
でも、「子供自身が自ら練習したい気持ちにならなければダメなんですよ」と言っても「そんなこと言うと本当に何もしないので言わないでください!」と逆に怒られてしまいました。
 
人生は短いようで長い。慌てないで休んでしまったほうがいいと思います。
私はやりたくなかったわけではないのですが、怪我で3年弾かなかった時期がありました。
 
そうすると、不思議なのですがあんなに練習嫌いだったのが、無性に音楽に飢えてくるんですよね。
そうなったらやればいいのだと思います。
 
「ピアニストっていうのはね、旅行から帰ってきたとしても、鍵盤の上にあるホコリをフッと吹き払って、いつもどおりサラサラと弾けなきゃ。私も弾かないことなんてしょっちゅうあるよ。」
これは達人の領域です。
『ピアノは、一日休めば自分が分かる、二日休めば先生が分かる、三日休めば聴衆が分かる』と言われて育てられてきた私には衝撃的な師匠からのお言葉でした。
 
ピアノの巨匠ルービンシュタイン(1887~1982)は若い頃、欧米の社交界で放蕩と道楽の限りをつくした伊達男。
ピアノに一生懸命になったのはやっと45歳過ぎてからだそうです。「そのくらいまではまだ音楽だけに夢中になってはいけない」と言っています。
 
違うことに夢中になるのもいいし、遊ぶのもいい。遊びは中途半端でなく、とことん遊んだほうがいいと思います。
その経験が必ず音楽に生きてきますよ。
 
ピアノはどうしても練習時間のかかる楽器。真面目な人が多いのもピアノの特徴です。
でも、真面目なだけの優等生の演奏ばかりじゃつまらない。
 
音楽は技術だけではなく、最終的にはその人そのものが出てくるのだと思います。

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