マイケル・ジャクソンの「Beat It」 調性が違うとコメディになってしまう
「楽譜ってなんで♯やら♭やらたくさんついてて面倒くさい。これって意味あるの?」と思ったことありませんか。
♯や♭がついてるということは、調性があるということなのです。
調性は全部で24調あります。
有名なJ.S.バッハの作曲した「平均律クラヴィーア曲集」は24調全ての調性で作曲されています。
ショパンの「24の前奏曲集」も24調で作曲されており、バッハの平均律を模範としてを作られたと言われています。
なぜ、こんなにたくさんの調性が必要だったのでしょうか。
調性は曲のキャラクターと色を決めるからなのです。
作曲家は、調性によって、その曲の気分を表現しています。
調性は、大まかに言うと、長調と短調に分かれます。
長調は明るく、短調は暗い響きがします。
そしてさらに、長調と短調それぞれ12種類の調があり、微妙に色彩や性格、オーケストラや楽器の鳴り方が違います。
例えば、♯や♭のないハ長調。
ピアノの鍵盤だと全部白い鍵盤で弾くことができるのですが、なぜか開放的な明るさがあります。
ニ長調は、喜びや希望を感じさせる明るさ。
お祝いの曲などに良く使われます。
変ホ長調はオーケストラ、特にホルンが一番良く鳴る調性。
朗々と勇壮な響きが特徴です。
ベートーヴェンは「英雄」や「皇帝」をこの調性で作曲しています。
ヒーローをイメージさせる調性ですね。
さて、マイケル・ジャクソンの「Beat It」。
原曲は変ホ短調(♭6個)で、暗く複雑な曲の性格を表現していますね。
しかし、この曲のパロディがあり、調性がイ短調に変わっています。
イ短調は、短調で暗い調性なのですが、♯や♭がなく、短調の中でも少しあっけらかんとした響きがあるように思えます。
なぜか変ホ短調と比較すると笑えてしまうのです。
それでは実際に聴いて比較してみることにしましょう。
埋め込みが出来ないようですのでリンクでお聴きください。
マイケル・ジャクソンの「Beat It」
「Beat It」のパロディ「Eat It」
パロディの方は、主役のヤンコビック以外はマイケル・ジャクソンのときと同じ配役だそうですよ。