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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

SaaS 3.0とはなんだ!?

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 SaaSも、今年のIT流行語の上位にランクされる言葉だろう。ところで、SaaS 2.0っていうのはあったのだろうか? そもそも、現状はSaaSのファーストバージョンであり、SaaS自体がASP型サービス 2.0かなと思っていたのだが。

 SaaSベンダーとしてはまだ日本での認知度がそれほど高くはないNetSuiteが、自社のサービスをSaaS 3.0と表現したようだ。これは、SaaSで先行するSalesforce.comを牽制するために使ったものだろう。今回開催されたプレスの説明会に参加していないので詳細は不明だが、記事やニュースリリースを読むかぎりは、Salesforce.comのサービスの一歩先を行っているというところまでは、さすがに行き着いていないのではと思ってしまう。

 両社とも、たんにアプリケーションをサービスで提供するというところから、新たにSaaS環境をプラ ットフォームとして提供するといったところに発展している。これは、双方でむしろ方向性が一致しているところであろう。Salesforce.comはJavaによく似たApex言語を新たに提供し、NetSuiteは標準のJavaScriptと独自のAPIコールで、このプラットフォームを実現するという。どちらに軍配があがるかは、双方のビジネスの今後の発展で判断することになるのだろう。10月のSalesforce.comのイベントで、CEOのマーク・ベニオフ氏は、SaaSのプラットフォームビジネスに現状ではライバルはいないと言っていたが、これでNetSuiteが名乗りを上げたことになるのか。

 それにしても、SaaS 3.0はちょっと先を走りすぎではないだろうか。しかしながら、来年はもしかすると「XX 3.0」なんていうのが続々と増えてくるのだろうか。メジャーバージョンアップをするからには、それなりの中身が伴わないと。

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