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決断の先延ばしの結果

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「内定を通知していた学生のほとんどから内定承諾の返答がきました!」

先日、当社で採用支援している会社の人事担当者の方から
このようなうれしい知らせが入りました。

ナショナルブランドの全国的に超人気企業であれば
学生が勝手に盛り上がって集まってきますが、

普通の会社であれば、

自社が求める人材像を明確にして、
その人材像に合う学生を探して、説得して、決断してもらわないといけません。

人事担当者のマーケティング能力、営業能力、人間性などで
成果をつくるのが企業の人材採用の仕事になります。

当社でも、そのプロセスの一部を支援させていただきましたが、
この会社の場合は、
企業の中長期の事業戦略に基づいて数年後に必要となる人材像を人事主導で明確にして、
ターゲットとなる学生を明確にして情報発信していました。

そのターゲッティングされた学生を集め、
営業能力で興味を持ってもらい、期待してもらい、
最終的には人事担当者の人間性で学生を引き付けていました。

当社は学生視点で、企業の将来性などを客観的に分析したり、
学生がこのクライアント企業にあう考え方になるように

「社会人とは」「学生と社会人の違い」「仕事で成果を出す」

などの研修などを提供していきました。

結果、ほとんどの学生が、この企業の人材育成姿勢などを評価してくれたようです。

多くの学生は、安定していると言われる企業や有名な企業、
公務員などの職を希望する傾向にありますが、

これは、「決断の先延ばし」をしているだけではないかと思うことがあります。

大学に進学する際も、全てにあてはまるわけではありませんが、

「将来的に選択肢が増えるかもしれない」
「大学くらいは出ておかないとね!」

など、あまり深く考えていないケースが多いでしょう。

就職活動も同じで、

「将来的に自分の可能性が広がるかもしれない」
「有名企業には新卒でしか入れない」

など、「ここで○○をしたい!○○をするんだ!」と何も決断するわけでもなく、
やめる時の自分に対しての言い訳を無意識のうちに考えて、
会社を決めたりしています。

決して、
大きな会社に入る、有名な会社に入る、
公務員になるのがいけないと言っているのではありません。

「自分自身で社会にどのような価値を提供するという決断をせずに、
今、決断しないといけないことを先延ばしにしていることが、
将来に大きなツケを抱えることになる」

ということを心配しています。

現在の日本の景気対策は、赤字国債の発行でまかないますので、
緊急雇用対策や定額給付金、子育て支援などのお金は、
将来的に自分たちの子供たちが払っていかないといけない税金を
前借りしているような形になっています。

そのような給与の前借りのようなものに頼っている大人たち(親)から、

安定している会社、仕事、有名な会社に行くと、
先々はまた違う選択肢が出てくるんだよ

という夢みたいな話をされては、
当然、子どもたちは、「今、決断する」ということの意味・重要性が
わかるはずもありません。

「会社に入って、会社を辞めるという決断をしなさい」

と言っているのではありません。

「目の前の仕事で絶対的な成果を出すという決断をしなさい」

ということです。

その決断、成果の積み重ねが次の選択肢を創り出すということで、

決断の先送りのために環境を変える(転職する)ということを
繰り返している若者が親になったときに、

さらにその子供達が、今度は、

「そのような親になりたくない」

という理由で、仕事をすることすら選択しなくなる、という時代に
なるのかもしれません。

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