新入社員の意識の変化
日本能率協会様が2007年度新入社員「会社や社会に対する意識調査」結果をWebサイトで公開されています。
http://www.jma.or.jp/bin/jma/release/release.cgi?type=contents_20070419
私自身も東京と九州の企業で、新入社員の研修などのコーディネイト、講師などを担当していて同じようなことを感じています。
昨年くらいから新入社員の資質も大きく変わってきています。人間は成長してきた環境で考え方も行動パターンも大きく変わってしまいます。何でも簡単に手に入る、学校では競争を極力避けてきた教育を受けてきた世代を受け入れる企業は人材育成のマネジメントも大きく変えないといけない状況になってきています。
能率協会様の意識調査は、『手を差しのべてもらいたい新入社員』と『見守る上司』という先輩・上司の意識と新入社員の意識のギャップを表題にされています。
この意識調査の面白い点は、先輩や上司が日頃から気をつけている新入社員や部下への対応、指導方法を新入社員の理想の先輩や上司像を比較しているということです。
新入社員が望む先輩、上司像として「人間的魅力のある上司・先輩」【63.0%】がトップにランクされていますが、先輩や上司の対応、指導方法のポイントとの差は39ポイントもあります。
また、次にランクされている「仕事について丁寧な指導をする上司・先輩」【50.6%】に対しても、先輩や上司の対応、指導方法のポイント差は12.6ポイントの差があります。
逆に先輩や上司が対応、指導で意識している「仕事を任せて見守る上司・先輩」【48.0%】については新入社員の評価と42.0ポイントものギャップになっています。
また、その他にも大きなギャップがあるのは「部下の意見・要望を傾聴する上司・先輩」【36.0%】という話を聞いてあげる先輩、上司の対応、指導方法も17.6ポイントの差となって評価されていません。
この結果を見る限りでは、昨今の新入社員は自分を信用してもらって仕事を任せてもらうことよりも、人間的な魅力のある先輩や上司に対して帰属するような傾向があるように感じます。就職活動などでも、社長の人間的な魅力やリクルータや人事担当者の人柄に引かれて会社を選んだという大学生が多いのが特徴的ではないでしょうか。
さて、このような傾向になってきますと大企業のように集団採用、採用後に現場配属決定を行っている会社の中では当然のように配属先の先輩や上司の人間性などが彼らの仕事のモチベーションを左右してしまいます。
では、このような時代の中で企業はどのような人材マネジメントを行っていけばよいのでしょうか。
新入社員は、人間的な魅力のある先輩や上司と一緒に仕事をしたい、指導されたいと考えています。ただ、これは新入社員だけに限らず、市場も企業の選別をする際に商品、サービスの価値だけでなく、営業担当者やサービス担当者の人間性などを付加価値として評価するようになってきています。インターネットなどで情報が氾濫してしまった結果、消費者が付加価値と感じる部分がアナログに回帰してきているということも言えます。その部分も加味して、個々の社員の能力のマネジメントが必要だということで、最近では『タレントマネジメント』という言葉を良く耳にするようになってきました。
タレントマネジメントの考え方の重要性については明日投稿したいと思います。