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クリエイティブ・クラスという新しい階層

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終身雇用形態が崩壊して、企業は従業員に短期間での成果を求めてきます。成果を出せば報酬が見返りとして提供されます。資本主義社会の中では当然のことで、提供した価値の対価が支払われるという仕組みです。

不安定な雇用形態で成果主義が取り入れたれた賃金となると、どうしても労働が長期間になってしまいます。最近では『クリエイティブ・クラス』という言葉を耳にすることがありますが、日本で賃金と連動したという形で言うと『クリエイティブ・クラス』に属す就業者は非常に少ないのが現状です。市場から高い評価をされる価値を提供しても労働時間と連動した賃金が払わています。

『クリエイティブ・クラス』という言葉はカーネギーメロン大学の都市経済学者のリチャード・フロリダ教授が、著書『The Riseof The Creative Class』で考察した新しい階層になります。

世界は、情報化社会から知識化社会になって産業革命以来の価値変革の時代に突入しました。

最近は、ネットとメディアの関係性もそうですが、インターネットの出現で既存の概念と新しい概念の区分けの曖昧性に悩んでいる方々も多いようです。職業特性という面で言うと、産業革命以降に使われてきた『ブルーカラー(肉体労働)』『ホワイトカラー(知的労働)』という区分けも非常に曖昧になってきています。

例えば、一般的にはブルーカラーと呼ばれる職種でも創意工夫を行なって常に市場に新しい価値を提供し続けている人たちは、提供できる価値に従って高い報酬をもらうという形も出てきています。逆にホワイトカラーと呼ばれる職種が単純労働しかやらない場合には、雇用形態が派遣や契約という形に変わってきています。その結果、安定しない雇用形態の方々が増えてきました。

どんな仕事でも常に価値を創造しようという姿勢、思考が必要な時代になってきました。以前、クリエイティブな仕事ということで、カタカナ職業がもてはやされた時代がありましたが、それとはちょっと違います。職種に関わらず、その仕事を通じて市場に対して創造的な価値を提供できる高付加価値人材が新しい時代の中心になるという考え方です。

日本の高度経済成長を支えてきたには、製造業を中心としてクリエイティブな仕事に従事したブルーカラーの人たちの仕事ぶりということは広く知られています。経済も安定期に入るとホワイトカラーの人たちに社会の注目が向きましたが、営業利益が2兆円を超えたトヨタ自動車などの例を見ると現場部門のクリエイティブな仕事ぶりが注目されています。

ここらへんに次世代の我々の仕事に対しての考え方ヒントがあるのではないかと思います。

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