嘆く前に理解しないといけない若者気質
皆が動くから自分も動く。
学生の就職活動を見ていて違和感を感じる人たちも少なくないのではないかと思います。
ちょっと前までは茶髪にピアス、人目も気にしないような服装をしていた大学生も就職活動となると、スーツに身をつつみ会社説明会に参加したり会社訪問を行います。
この変わり身に一種の違和感を感じるのかもしれませんが、彼らは真剣です。ただ、中には周りが急に変化したので自分も一緒に流れにのっているという学生も少なくはありません。企業の採用担当の方と話をしていて『会社訪問を希望してきたので面談を行ったのだが、自分から積極的に質問するわけでもなく、なぜ希望してきたのかわからなかった』という話を聞くこともあります。
当社では、学生インターンシップのコーディネイトなども行っていますが、周りが参加しているから何となく応募したという学生はインターンシップ先の企業には派遣しません。企業は、生き残りのために毎日真剣に仕事に向かいあっています。その中に違う空気感の学生が混ざってしまうと組織全体のモチベーションが下がってしまいます。
インターンシップなどのコーディネイトを通じて理解できたのは『ゆとり教育』世代の学生であっても、仕事の意味と仕事を通じて周囲に認められる行動などを理解させることができれば自分で考えて行動ができるようになります。ただ、これには相当な根気が必要になります。
仕事の意味を説明する際には、仕事の全体像を理解できるまで徹底的に話をして、最終的な成果とは何かを理解させて、その成果を出すためのプロセスを彼らの頭にイメージできるまで繰りかえし確認します。集団の中でそれを行おうとすると疑問があっても質問をしない世代なので個別に確認していきます。その過程の中で、自信をつけさせて周囲に認めてもらうのが仕事だということを理解させます。
ただ、実際に企業にインターンシップ生として派遣すると、その企業の業務プロセスが明確でないことから、せっかく派遣前に教えてもらったゴール設定とそのゴールにたどり着くまでのプロセスが見えなくて逆に自信を無くすことも少なくありません。
私たちがコンサルティングを行うために企業を訪問していても感じることですが、企業の業務プロセスというのが属人的な管理になって明確になっていない企業が多いことに驚きます。この不明確な業務プロセスを覚えるのに、今の学生はどれくらい時間がかかるのでしょうか。
その過程の中で、
仕事がつまらない、この会社にいても自分の先行きが見えない
ということになるのではないかと心配しています。