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「購入いただかないと利用できません」と表示されたクルマの機能は開発とリリースの分離につながるか

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表題に関して、リプライや引用RTが多いTweetを見つけたのでブログエントリにしました。ハイビームアシストボタンを押すと、その機能をBMWのConnectedDriveストアで買うようガイドが表示されたというTweetです。プロフィールをみると自動車の雑誌の編集にかかわっている方のTweetで、下のような感じ。右側の写真が購入を促す画面です。

2019年8月に公開された以下の公式のYoutubeでも紹介されています。YoutubeではOTA(Over the air: 無線ネットワークによる更新)と紹介されているので自動車に直接ダウンロードできるようです。TweetのほうはQRコードが表示されているのでスマホでの購入かもしれないので、詳細は違うかもしれませんが、購入後に機能追加という点では同じといえそうです。

これまでディーラーでクルマを購入する前に指定していた機能(オプション)が、利用中に必要に応じて購入できるようになります。購入するときも利用時でもどちらでも買えるようになるのは便利になるのですが、これまでとはちょっと違う感じで抵抗感があるのかもしれません。上のTweetのリプライにはお金儲けを考えすぎといった批判的なものも多いです。

これが浸透していくと一部の車載ソフトウェアの開発とリリースの分離につながると思います。ソフトウェア単体で実現できる機能は、単体では実現できない機能のように発売前に完成してスペックを決めておく必要がないものも出てくる可能性があります。使い始めてから新しい機能が提供することが当たり前になるとリリース時期は必ずしも自動車の製造時期を前提としたものにしなくてもよくなるかもしれません。現行だと有料で更新するカーナビの地図に近いといえそうです。

リリース時期の制約が少なくなると、求められる品質を満たせた時点や機能が完成した時点でリリースできるようになります。リリース時期を固定すると機能や品質として条件を満たせず、開発する機能に組み入れられないことが考えられますが、その前提がなくなるとより高いレベルの機能につながる可能性が増えます。また、車種や仕向けに特化せず、適切に抽象化できていればその後の製品には購入前に指定できるオプションとすることもできそうです。

そのためには、特定車種やリリース時期が確定しているような体制やアーキテクチャを変えていく必要があります。また、予算とコストに関しても考えを変える必要がありそうです。機能(群)を一つのプロダクトやサービスと捉え、一定コストが常にかかり、リリースの際にそれを回収するような形に考え方を変える必要があります。

今回のような購入後に機能追加することがエンドユーザに受け入れられてそれなりの収益になるのであれば、アーキテクチャ、体制、予算を考えていかないといけなさそうです。しかし、これらはセキュリティアップデートでも必要になるものであり、今回のような動きもきっかけとなり開発とリリースの分離につながるとおもしろくなっていきそうです。

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