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計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

レビューで検出する問題種別の事例

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ソフトウェアレビューに関する研究をしています。レビューを開始する前にどういう欠陥(問題)を検出すべきか事前に相談しておくことを勧めています。特に時間に制約のあるレビューやレビューの質を揃えたい場合には、レビューで検出する問題種別をレビューア間で合意し、その問題が検出できるようシナリオを作成しておきます。シナリオにはドキュメントやコードのどの部分をどのように確認するかを記載しておきます。

ETロボコン2015 中四国地区 秋の独自勉強会で、河内 一弘氏(ETロボコン中四国地区実行委員会運営委員長)が、この方法でのレビューの演習をされたそうです。演習の際の解説資料を再構成したものが「ETロボコンで学ぶレビュー技法」というタイトルでSlideshareで公開されています。本ブログエントリの末尾にSlideshareを埋め込んでいます。

ETロボコンは「ETソフトウェアデザインロボットコンテスト」の略称です(公式サイトはこちら)。組込みシステム開発分野および同教育分野における若年層および初級エンジニアへの分析・設計モデリングの教育機会を提供することを目的として、ソフトウェア設計を評価するコンテストです。

ETロボコンには審査基準があり、その審査基準をレビューで検出すべき問題種別として設定しています。スライドの16~18ページにある正確性や理解性といった審査項目があります。それらが満たされなくなる問題をレビューで検出する問題種別としています。必ずしもすべての審査基準をカバーするのではなく、必要なものにしぼって設定し、「トリアージ」として説明しています。そして19ページに対応するシナリオ(どの部分をどういうふうに確認するか)の例が挙げられています。「メンバー間で認識がだいたい一致するくらいの粒度で書く」という注意書きも適切と感じました。

具体的な方法が記録シートとともに23ページ以降で書かれています。最後に勉強会の参加者の感想もつけていただいています。適切な例であり、参考になると思いましたので、資料の作者である河内氏にお願いして資料公開いただきました。わかりやすい資料ありがとうございます。また、ETロボコンのような組織の枠を超えて後進を育成する活動に携わられていることもすばらしいと思います。

シナリオレビューの方法は拙著「なぜ重大な問題を見逃すのか?間違いだらけの設計レビュー」に記載しています。2015年9月に、シナリオ作成の事例3件と例題1件を追加し改訂版を上梓しました。日経ITproストアamazon等から購入いただけます。

また、2015年10月16日に改訂版に沿った内容としては初回となるセミナー(1日研修)を名古屋で開催する機会をいただきました。詳細はこちらから。参加の方には改訂版を1冊進呈しています。

以下は本エントリで紹介した資料です。

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