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計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

社員が仕事を楽しめていないときに会社は…

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だいぶ前のことになりますが2013年1月15日にScrum Allaiance Regional Gathering Tokyo 2013に招待いただきました。アジャイル開発の一つのプラクティスの一つであるスクラムに関するイベントですが、職業(仕事)や生き方の話もありました。ここでは私の印象に特に強く残った仕事の話を書いてみたいと思います。私がゼミの学生に頻繁に言っていることにも共通していました。

初日のJurgen Appelo氏の基調講演「Agile Management ? Learning From Software Development」

Mellyという人物を講演の中で紹介。今の仕事がきらいだけど20年続けている。家を買ってローンを支払うためにお金をかせがないといけないので、今の仕事をなかなか辞められない。Mellyをどうやってこの状況から救うか?

Appelo氏の講演の最後にMellyが再度登場しますが、講演の最後までに働き方や組織とのつきあい方を歴史を振返りながらお話されていました。最初は紀元前まで遡ります。

紀元前3000年から仕事は中央集権的である。組織はマネージャで階層化され、個人は全体のパフォーマンスを出すために楽しさを犠牲にする。(ピラミッドを建てるときの様子が挿絵にありました)

紀元前3000年から現代までの組織、管理、マネージャのあり方の移り変わりを紹介されていました。本エントリではその部分は割愛して、一気に現代の話にします。現代での組織と個人の関係はアジャイルなソフトウェア開発における関係と同じようにあるべきだと述べ、アジャイルでの組織と個人の関係のあり方を次のように説明されていました。

アジャイルでは組織をコミュニティのように考えている。コミュニティの利益を確保しつつ、コミュニティは構成員の利益も守る。双方向である。

最後にMellyが再度登場します。そして、本エントリの表題への回答にもなりますが、Mellyを救う方法として次を提示されていました。

楽しんでいない社員をやめさせて違う仕事に就かせてやるのも組織の仕事である。

会社が社員を発展的に解雇するというのは、私には非常に新鮮でした。ただ、楽しんでいない人を楽しめる状況に変えていくというのは非常に重要と思います。次の仕事がどのようなものであるかにも依存しますが、そういう考え方の転換もあるのだなぁと新たな視点をもらいました。

Regional Scrum Gathering Tokyoは2014年も1/14, 15に開催されるそうです。今年も新たな視点を与えてくれるような講演があると思います。詳細はこちら。早期割引は11/15(金)までだそうです。

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