「これ」と思った欠陥種別をソフトウェアレビューで検出した事例(記事紹介)
日経SYSTEMS 2011年3月号「検証ラボ」にレビュー観点設定の検証記事を寄稿した。観点を設定するとレビュー結果にどのような影響が出るかを3つの事例から検証している。
詳細は記事をご覧いただきたいが、事例では「こういうエラーを検出しましょう」と合意すると指摘エラーのうち7, 8割くらいが期待どおりのエラー(「こういうエラー」に該当するエラー)になることを示している。
この結果は、レビューで検出したいエラーが明確な場合(レビューで見逃すと大きな問題となるエラー種別がはっきりしている場合)には、観点設定により検出エラーを重点的に検出できる可能性があることを示唆している。
レビューで注力するエラー種別を決めることにより、テストとのバランスやその種別でのエラーが十分に指摘されていないときに、再度見直すきっかけとすることができる。また、実施エビデンスの残りにくいレビューにおいて、ある程度の実施エビデンスとなり得る。
記事では私が講師を担当したセミナの中で実施した演習問題での結果(単純にある観点でエラーを検出してくださいとお願いしたもの)と過去のバージョンの不具合管理表から修正時間の長い不具合種別を分析し、それを防げるような観点を次のバージョンのレビューに設定した事例(東芝デジタルメディアエンジニアリングとの共同研究として)を紹介している。
記事には3件の検証が紹介されているが、いずれも最近レビューにおいてやっておいたほうがよいと感じていたことを実際に検証できたテーマだ。お手元やお近くにあれば、ぜひ目を通していただき、この結果をご自身の開発でどのように活かせそうかご検討いただけると幸いだ。
また、この場にて検証にご協力くださった方々に御礼申し上げる。