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計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

ソースコードを書くスキルよりも読むスキルが求められる理由

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ソースコードを読むスキルと書くスキル、読むスキルのほうが多くのエンジニアに求められる。理由は、書くスキルはプログラマ中心に求められるのに対し、読むスキルは、他のエンジニアにも求められるからだ。たとえば、以下のような場面で読むスキルが求められる。

  • 設計、コーディングの前に、既存のコードを流用して開発してよいか?
  • コーディング中に、他の担当者の書いたコードとの整合性はとれているか?
  • テスト開始前に、そのコードでテストを開始してよいか?
  • テスト中に発見された不具合の修正を受け入れてよいか?
  • 検収完了としてよいか?

大規模化が進めば他人のコードを読まずにはすまされない。派生/保守開発の割合が高れば、既存のコードを読まずには改変ができない。今後もこの傾向は強まっていくだろう。コードを書くスキルと比較すると、コードを読むスキルのほうがより多くの開発関係者に、より多くの場面で求められる傾向にあるといえる。

しかし、ご自身の読解スキルを知る方法や伸ばす方法を知ることはそれほど簡単ではない。そこで、Javaを対象として共通のソースコードを読み、参加者間で結果を共有することにより、ご自身の強みや弱みを把握するためのサイトを作っている。結果は個人情報を削除の上、参加者全員の中での位置づけや他の参加者の回答を共有できるようにする予定。また、結果は研究対象となる。

連休中にここ(我々の研究グループのWeb)からご自身のソースコード読解スキルを試されてみてはいかがだろうか?

なお、codezineに同取組みの解説記事を寄稿した。同ページでは、結果のイメージ等も掲載している。他にも、IBM developerWorks編集長ブログ, publickey, スラッシュドット・ジャパン, WACATEマガジンVol. 9、(紹介はアルファベット順)で紹介していただいてる。

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