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ソフトウェアテストのクラウドソーシングで本当に品質を上げられるのか?

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不特定多数のテストエンジニアをネットで募集し、発見バグに応じた報酬を払うソフトウェアテストのクラウドソーシングサービスとしてuTestがある。サービスは登録ユーザとテストをしてほしい委託者を結びつけるもの。登録ユーザは不特定多数のテストエンジニア。不具合を発見し、報告してもらったらその対価を委託者が支払う。対価は1件あたり数千円だそうだ。システムテストの後半やフィールドテストで利用するのだろう。

ITmediaの記事(uTest――世界中の技術者がバグ探し、欠陥なければタダ)でも紹介されている。

委託開発やテストのアウトソーシングで、発見不具合件数による出来高払いをしているところは少ないだろう。この市場が大きくなれば、いわゆる「流しのテストエンジニア」が成り立つようになるかもしれない。プロのテストエンジニアならば、出来高に見合う報酬は魅力的にうつるのではないだろうか。

ただ、このサービスで発見できる不具合の種類や対象ソフトウェアには制約があるように思う。uTestのメニューにもあるように、コンシューマ向けのWebアプリケーション等が中心になるだろう。逆に不向きなものもあり、少なくとも以下は適していないだろう。

  • 組込みソフトウェア
  • 機密情報を扱ったり、それ自体が機密情報であるソフトウェア
  • 業務知識や業務フローの理解が前提となるソフトウェア

uTestのメニューにもあるように、適しているものとしてはPC, モバイル向けWebアプリケーション、ゲーム、デスクトップアプリケーションが考えられるが、以下のような特徴を持つソフトウェアに適しているように思う。

  • コンシューマ向けで対象領域の知識を多岐にわたって求めない。
  • 利用環境が様々である。
  • 非機能要求が明確でない。
  • 気軽にテストできる。

現行の日本の品質基準から考えるとこのやり方が国内で爆発的に広がるとは少し考えにくいが、有効に機能する分野やソフトウェアもあるように思う。また、品質が高ければ課金されない、あるいは、不具合を見つけられなければ、支払がない、という原則も技術発展を考えると歓迎できるものだろう。

余談だが、表題の「クラウドソーシング」はCrowdsourcingの意だが、Cloudsourcingという意でも通用するのかもしれない。

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