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計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

ソフトウェアADR(裁判外紛争解決)とソフトウェアタグ

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「これは発注したシステムとは到底言えない」「話が違う」といったシステム・ソフトウェアの受発注の問題がとてもこじれると裁判で決着ということになる。しかしながら、裁判には時間、コストがかかる等の理由から、裁判外紛争解決(ADR: Alternative Dispute Resolution)という仕組みがあるそうだ。

ソフトウェアタグとは、ソフトウェア開発の過程で収集される種々の記録(ドキュメントの改編履歴や打合せ議事録等)だ。発注者と受注者の間で契約時に記録項目を合意し、開発中に記録を蓄積していく。開発途中で記録を参照すれば、開発状況の共有が容易になり、万一紛争になった場合でもそれをもとに紛争解決することを目指す。

では、どんな項目をどのようなタイミングで共有し、記録はどこに保存しておくか、という疑問が浮かんでくる。その答はすぐには出ないが、記録項目を技術的、法的に検討するために文部科学省の「次世代IT基盤構築のための研究開発 ソフトウェア構築状況の可視化技術の普及」研究プロジェクト(StagEプロジェクト)が去年、発足した。

その第1回目の報告がエンピリカルソフトウェア工学研究会で行われた。このプロジェクトの趣旨、ソフトウェアタグver. 1.0、法的問題の解決、ソフトウェアタグを利用したがプロジェクトメンバからプレゼンされ、経産省から情報システム・ソフトウェアの信頼性向上の取組み、東京証券取引所から同社の取組みとソフトウェアタグへの期待、ソフトウェアタグの応用事例が、プロジェクトメンバ、日立製作所、日立システムアンドサービスから講演があった。詳細はこちら

同研究会にはメディアの方も参加されていた。現在のところ、日経ITProの記事で紹介されている。インプレスITの社長ブログにも載っているようだ。

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