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計測できそうでできない多くのこと。エンピリカル(実証的)アプローチで。

「パワーポイントの使用を控える」というメッセージとソフトウェア計測の共通点

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ちょっと前の話になってしまったが、トヨタ渡辺社長がパワーポイントを使った資料作成やカラーコピーの自粛を決算会見の後で発したそうだ(ダイアモンドオンラインの記事)。オルタナブロガの山口氏もこのエントリで触れられている。ダイアモンドオンライン以外では目にしたことがないので、実際には異なる表現で伝えられているかもしれない。

パワーポイントの使用を控える理由は、資料の枚数が増える、カラー印刷が増える、過去には1枚でまとめていた、というところにあるそうだ。わざわざ決算会見後にいうほどではないことではあるが(どこの会社でも「カラーコピー1枚・・・円、白黒コピー1枚・・・円」というような紙が複合機、コピー機、プリンタにはってあるだろう)、ここに込められたメッセージはコスト意識を持てということにあるように思う。

ソフトウェアの計測に基づいた品質や規模の管理や改善についても似ている部分があると思う。ソフトウェアの計測は計測対象の選定が難しく対象の個別性が高いこともあり、計測値を比較するためには超えるべきハードルがいくつもある。様々な方が様々な言い方で計測の効果として挙げているが、計測という活動やメッセージを通じて、継続して続けるべき点や改善点を挙げるといった意識を高めることができるだろう。

こちらも様々な方々が述べられているがソフトウェアの計測を継続的に進めていくために、最初の段階は計測に好意的、協力的なメンバや部分から、事例を蓄積しながらスケールアップするのがよいように思う。効率的なスケールアップには、単純な蓄積だけでなく横展開を意識した整理、抽象化、まとめが必要になると思う。これを機密を守りながら実施するのは私のミッションの1つでもあると思っている。

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