オルタナティブ・ブログ > 永井経営塾 >

ビジネスの現場で実践できるマーケティングと経営戦略をお伝えしていきます。

「デジタルが全てを壊す」...写真作品制作のデジタル化から

»

私は1980年代から1990年代まで、写真の個展を開催するなど、かなり写真活動に力を入れていました。

この頃は、写真を撮った後、作品プリントに仕上げるまでこんな感じでした。

0日目:現像所受付に行き、フィルムを現像に出す

1日目:翌日、現像所受付に行き、現像フィルムを受け取る

2日目:プリントする写真を選んで、現像所受付に行き、プリント依頼する

7日目:現像所受付に行き、プリントを受け取る(仕上がりが合っていない場合は、再プリントを依頼)

数えてみると、現像所受付には最低4回行く必要がありました。

 

当時は勤務していた所属部門の事情で都内事業所を頻繁に引っ越ししていました。オフィスが引っ越すと最初に行ったのは、夜遅くまで開いている現像所を探すことでした。

赤坂に勤務していた頃は、六本木1丁目にある日本発色に行ってましたし、築地に勤務していた頃は、銀座のコダックイマジカや日本発色の常連客でした。

仕事が終わって会社を出て、閉店間際の現像所受付に駆け込んで、現像の注文をしたり、仕上がりを受け取ったりしていたのですね。

こんなことを繰り返しながら作品を溜め、写真展を行っていました。

 

今は、作品プリントも含めて、現像所に行く必要が一切なくなりました。

まず現像が不要。撮影したら、イメージが残っている間にすぐにRAW現像し、JPEGデータを作ります。

そしてプリントも簡単。(ちなみに私は、カラープリンターは持っていません)

たとえば富士フイルムのスーパーデジタルプリントクリスタルでは、ネットで高品質のクリスタルプリントの注文ができ、自宅に配送してもらえます。クレジットカード決済以外にも、後日の銀行振込なども用意しているので安心です。

価格もデジカメ普及前のクリスタルプリントは六つ切で1枚2,500円位だった記憶がありますが、半額以下の1,008円。かなり安くなっています。

ちなみに「デジカメでキレイな写真を撮れたな」という方は、一度、この富士フイルムのスーパーデジタルプリントクリスタルを試してみることをお勧めします。きっとプリント品質の高さに驚かれるのではないかと思います。

 

実はこの変化が起こっている裏では、現像する人、写真を焼く人(プリンター)、そしてフィルムを開発・生産・流通・販売する人たちの仕事がなくなっています。

その一方、写真のデジタル化が進んだことで、写真作成に関わるあらゆるプロセスが迅速化・高品質化・低価格化しています。

 

日経ビジネス 2015.2.2号で、米アクセンチュアのピエール・ナンテルムCEOによる「デジタルが全てを壊す」という対談を掲載しています。

記事によると、アクセンチュアは、①あらゆる分野で進むデジタル化に対応するサービスと、②顧客企業の合理化や生産性向上を支援するサービスの2つにフォーカスし、マーケットシェアを伸ばしています。

 

写真作品制作のデジタル化で起こったのと同じことが、今、あらゆる業界で起こっています。

Comment(0)