バナナのたたき売りから考える、価格勝負の是非
簡略化のために、下記はバナナのたたき売り全業者で同じ条件という前提で考えます。
・バナナ一本の仕入れ値:1本10円 (変動費)
・叩き売りの台:台一つで1,000円 (固定費)
・上記の二つがあれば、バナナの叩き売りビジネスを開始できる
上記条件では、バナナ1本当たりの単位製品コストは、次のようになります。
■販売量 10本の場合
単位製品固定費100円/本 + 変動費 10円/本 = 110円
■販売量 100本の場合
単位製品固定費10円/本 + 変動費 10円/本 = 20円
■販売量 1,000本の場合
単位製品固定費1円/本 + 変動費 10円/本 = 11円
■販売量 10,000本の場合
単位製品固定費0.1円/本 + 変動費 10円/本 = 10.1円
販売量が少ない場合は、バナナの叩き台(固定費)の費用負担が大きくなり、単位製品コストは大きくなる。
販売量が増えれば増えるほど、バナナの叩き台(固定費)の費用負担は小さくなり、単位製品コストは少なくなる。
これは当たり前のことですよね。
さらに10,000本売る人は、大量購買をするので、仕入れ業者から特別に格安で調達できる可能性もあります。もし半額の5円/本で仕入れることができれば、バナナ1本当たりの単位製品コストは5.1円になります。
「叩き売りの台」=「会社の固定費(工場、店舗、施設など)」と考えれば、これは会社にも当てはまります。
沢山売る人が、一番安いコスト構造を持てる、ということです。
価格勝負をするためには大きな販売量を確保する必要があります。また逆に大量に販売しないのであれば、何らかの理由で安いコスト構造を実現していない限り、やはり価格競争は避けるべきなのです。