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「10万年後の安全」を考えるために、「10万年前」のことを調べてみた

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日本国内の原発では、現在25,000本分(1本当り500Kg)に相当する「高レベル放射性廃棄物」と言われる使用済み核燃料が溜まっています。

「高レベル放射性廃棄物」は、十数秒で人間の致死量に達する放射能を出します。完全封印が必要です。これが膨大な量になっているのですね。

この「高レベル放射性廃棄物」は、放射線を出しながらゆっくりと原子核が他の安定した原子核に変わることで、徐々に放射能レベルが下がっていきます。人体に影響がないレベルまで放射能レベルが下がるには、10万年かかります。現代の科学ではこれを加速化する現実的な方法はありません。

ですので「高レベル放射性廃棄物」は、10万年間、安全に保存し続けなければなりません。

よく「10万年の安全は守れるか?」と言われているのは、この点です。

 

しかし私は、「10万年後の世界」と言われてもなかなかイメージできません。

そこで視点を変えて、「10万年前から現代まで」何が起こってきたかをWikipediaで調べてみました。下記がサマリーです。

 

100,000年前:人類はネアンデルタール人。アフリカ大陸を出て各地に移住開始

81,000年前:地球温暖化で急速に海面上昇

73,000年前:スマトラ島トバ火山大噴火。地球の気温が数年間3度低下。人類人口は1万人以下に大激減

50,000年前:クロマニョン人登場。アメリカアリゾナ州に隕石が衝突し大クレーター形成

40,000年前:オーストラリアに人類が渡島

30,000年前:ネアンデルタール人が絶滅

25,000年前:姶良火山(鹿児島湾と桜島を囲む巨大カルデラ)が大爆発

20,000年前:ウルム氷期ピーク。現在より気温は7〜8℃低く、海水面は100mから最大130m低かった。ベーリング海峡は地続き。ユーラシア大陸から無人のアメリカ大陸に人類が移住

16,000年前:海面上昇により、陸続きだったベーリング海峡が海没。大陸と地続きだった日本も徐々に島化

13,000年前:日本列島が大陸から完全に離れ、ほぼ今の形に。海面上にあった宗谷海峡が海水面下に没す

12,000年前:ナイアガラ滝形成が始まる。初期の滝は現在より10kmほど下流にあり、年1mのペースで後退し現在の姿に

10,000年前:ヨーロッパ中部の火山活動が終息へ

5,300年前:鹿児島南方の鬼界カルデラで大噴火

4,000年前:海面は現在よりも数m(4m〜10m)高かった

 

結構、色々なことが起こっています。想定外なことも沢山あります。

改めて、「10万年の安全」というのは、まさに人知を超えた世界なのだと実感します。

 

現代の私たちは、後世の子孫に責任を負っています。

10万年前の祖先だったネアンデルタール人たちは、私たちに負の遺産は残しませんでした。

現実に存在している「高レベル放射性廃棄物」は、仮に今すぐに全世界の原発の運転を停止しても、決して消滅することはありません。

つまり原発停止で確かに新たな「高レベル放射性廃棄物」は生み出さなくなりますが、それだけで解決できる問題ではありません。

改めて、人類として考えていかなければならない課題だと思います。



 

Comment(1)

コメント

坂本英樹

10万年というレトリックは響きやすいですが、10万年と言っても、地層処分で深いところに置いちゃえば問題はないかと。そして、2020年とか2050年の人類のために今使えるエネルギーは大切に使っていくべきと思います。

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