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在宅勤務普及を阻む壁、そしてそれを崩す可能性を持つエンタープライズ・ソーシャルウェア

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JBpressに掲載された『「在宅勤務」に不安を覚える日本の会社員』という記事を読みました。

社会人になってから27年間ずっと外資系企業勤務だった私にとって、気がつかなかった日本企業における在宅勤務導入の壁が描かれていて、とても参考になりました。

記事によると、ある企業では、「みんなが集まって、組織として仕事が前に進めばよし、とされてきた」仕事の方法があるため、「在宅勤務になると、やるべきことがはっきりしていないので、何をやっていいか分からない。」状態になってしまう、とのことです。

考えてみると、私の勤務先である日本IBMの場合、個人毎の仕事の割り当てと評価基準は明確です。

恐らく、他の多くの外資系企業もそうなのではないでしょうか?

私が新卒入社の頃、中途入社で同じ部門に配属された人がいました。この方の前職はある典型的な日本企業でしたが、「日本IBMは、個人の仕事の責任範囲が広くて驚いた」とおっしゃっていました。

日本IBMでは、個人の仕事の責任範囲が明確なのは、新人でも変りありません。ただし、仕事の難易度と求められるアウトプットの質は、当然ながら、経験やスキルに従って高くなります。

『足りない部分を誰かがカバーする「助け合い」によって進む仕事』と『曖昧な評価』という要因以外にも、記事に書かれている...

・「会社でないと得られない仲間意識」
・「企業への帰属意識」
・「お互いに働いている姿を確認し合う行為」

...も、在宅勤務普及を阻んでいるのかもしれません。

しかしこれらは日本企業のよさでもあります。

これらを活かしつつ、いかに在宅勤務を展開するか、が「在宅勤務」普及のカギなのでしょう。

エンタープライズ・ソーシャルウェアは、企業内で場所を超えたネットでの仲間意識の涵養を促進する手段ですので、一つの解決策になり得るのではないか、と思います。


 

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